研究課題/領域番号 |
19K01097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
幸泉 満夫 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50598878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 対馬暖流ベルト地帯 / 初期農耕 / 扁平打製土掘具 / 磨盤状石皿 / 磨棒状磨石 / 大陸系石刀 / 無文系土器分布圏 / 東日本縄文文化複合体西漸説への反駁 / 横刃型刃器類 / 脱殻・粉砕関連具 / 大陸型(系)石刀 / 鹿角斧 / 中部・関東における土掘具の出現 / 縄文農耕論と関連考古学史 / 対馬暖流ベルト地帯と縄文農耕関連具の出現 / 福井県立若狭歴史博物館 / 縄文農耕 / 縄文農耕関連石器群 / 縄文農耕関連骨角器群 / 無文系土器群 / 石製農具 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の土器圧痕レプリカ法等の開発と普及により、縄文時代における栽培種植物の存在と多様性が次第に確実視されるようになってきた。けれども、それらを考古学的に証明する遺構はもとより、関連する石製農具類の実態についても依然、不明瞭な点が多い。 本研究では、初期縄文農耕に関与すると推察される縄文石器類の広域的な再検証を実施する。大陸由来の農耕文化をいち早く受容した可能性が高い、日本海西部沿岸地域(仮称、対馬暖流ベルト地帯)を対象に、関連石器類に関する形態、使用痕等に関する広範囲の比較調査を実施する。 本研究課題の遂行により、西日本における縄文農耕に関与する石器類の実態解明が期待できる。
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研究成果の概要 |
当該課題では途上、コロナ禍によって約2年半にわたる行動自粛を余儀なくされた。そのため、当初計画通りとなってはいない。けれどもアフターコロナを迎えた2021秋以降、関連機関への積極的な調査訪問によって大きく挽回し、1,038点にのぼる石器実測図、および11,200枚の画像収集に繋げた。2019年度からの課題期間内で論文15篇、単著4冊(うち市販1冊576頁、科研成果学術書3冊合計451頁)、共著1冊、講演会3回(各120分)の実績を収めた。これらの数々から、研究代表者が提起する「対馬暖流ベルト地帯」の輪郭と、初期農耕(原初農耕)に関わる特殊性の一端を明らかにすることができたといえるだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果により、わが国における初期農耕(原初農耕)関連具類の出現期に関する実態、対馬暖流ベルト地帯内における関連資料群の偏在傾向について、明確にすることができた。同地帯内の土器群に対する研究も進めたことで、対馬暖流ベルト地帯の輪郭と特殊性についても明らかにできた。成果を論文や著書のかたちで纏めただけでなく、対馬暖流に沿う各地の博物館での成果発表(講演会スタイル)により、学界、および市民一般に対して、広く公開を果たすことができた。本課題により見出された「対馬暖流ベルト地帯」は、先史時代におけるわが国への大陸文化導入の程度を改めて捉え直す転機へと繋がっていくことだろう。
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