研究課題/領域番号 |
19K01103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (60238128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 埋葬習慣 / ユーフラテス川 / ランプ / ガラス / ビザンツ時代 / 北シリア / 墓 / 残存油脂分析 / シリア / 埋葬文化 / 残留有機物分析 / ヘレニズム時代 / ガラス玉 / 埋葬 / ヘレニズム / ローマ |
研究開始時の研究の概要 |
北シリアのユーフラテス川中流域は、前1世紀頃から後8世紀にかけて、西のローマ帝国・東ローマに対して、東のアルサケス朝パルティア、サーサーン朝ペルシアなどの大国間の境界域であった。さらに周辺の都市国家も含めて常に勢力争いの場であった。それを示す様に多種類の埋葬施設が点在する。本研究では古代オリエント博物館が1974~80年にシリア現地にて実施した発掘調査の再検討とシリア政府から正式に日本に部分分与された資料の再調査をもとに、民族、文化が交錯する地における埋葬文化の特徴を明らかにし、制度や文化の共存、伝播の実態を検討する。研究成果とともに日本所在のシリア出土資料の展示公開も大きな目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、出土資料をもとに、北シリア、ユーフラテス川中流域のヘレニズム-ビザンツ時代の埋葬文化の特徴を明らかにすることを目的とした。資料は古代オリエント博物館が1974-80年にシリア現地の発掘調査で得た資料で、その大部分がシリア政府から日本に分与されている。資料の再調査・再検討を進める一方、墓に共通して多く出土する土製ランプとガラス製玉に焦点をあて、日本に保管されている利点を活かして科学分析も実施した。ランプの残存油脂の結果、5-6世紀の横穴墓では香り成分を含んだ植物性油脂を用いた土製ランプが一回限りで用いられていた可能性を指摘できた。成果は学会で発表するほか、展示という形で一般公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2011年にはじまった紛争によりシリアにおける考古学的調査は中止され、ユーフラテス川流域の考古学的研究は停滞せざるを得なくなった。そのなかで、現在日本に保管されているシリア出土の資料は、一次資料としてきわめて貴重である。科学的分析と分類精査を実施し、公開することで、停滞しているユーフラテス川流域の考古学的研究に新しい情報を世界の研究者に提供し、活用してもらうことができる。 なかでもランプの残存油脂の結果は、実際に当時ランプが墓においてどのように用いられていたのかの具体的な利用状況を科学的に示唆することができた。
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