研究課題/領域番号 |
19K01105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 公益財団法人出光美術館 |
研究代表者 |
徳留 大輔 公益財団法人出光美術館, その他部局等, 学芸員 (10751307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 中国陶磁器 / 流通 / 消費 / 伝世 / 受容 / 南方産陶磁 / 消費地 / 青花雲堂手 / 比較 / 伝世品 / 陶磁考古学 / 中国陶磁 / 中世 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、12~15世紀の中国国内外における中国陶磁器の流通と消費の動向を明らかにし、その比較を通して中国陶磁の流通システムを明らかにすることを目的とする。 景徳鎮窯、龍泉窯、福建産等の中国南方産陶磁器は、中国国内外で流通する。中国国内の各地域・時代における南方産陶磁器の流通と消費の動向を明らかにし、アジアのその他の地域との比較を通して、該期の中国陶磁の流通経路、流通媒介者、地域性を明らかにし、陶磁器の流通システムの解明を目指す。その解明に向けての基礎的研究として中国華北・東北地域を主に調査研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、12世紀から15世紀の中国陶磁器の流通と消費の状況に関して、中国と日本における消費地遺跡の出土状況から類型化とそれらの通時的・空間的比較を行うことを大きな目的としている。 調査研究では主に1)中国における南方産陶磁器の消費地遺跡と2)日本における中国南方産陶磁器の消費地遺跡での出土品を主に対象としている。2)に関連して、3)少なくとも江戸時代以前に日本に舶来したと考えられる中国陶磁器については、舶来して後にどのように後世に引き継がれ、使用・評価されてきたかについての研究を進めた。2022年度も新型コロナウィルス感染症の影響のため、中国現地における実地研究調査は実施できず、また国内の調査についても一部、2023年度に延期した。このため2022年度も、1)に関しては中国の華北地域から東北地域における墓地・港湾などの遺跡出土の南方産陶磁器の収集を中心に行った。くわえて編年や流通を考える上で有効な沈没船資料についても集成を行い、各時代で流通した製品の特徴についての整理を継続して行った。2)では、日本国内における当該資料について報告書をもとに集成を中心に行ったが、特に東北地方、沖縄に関しては実際に現地での出土資料の観察を含めた資料調査を行い、流通と消費に着目した研究を進めた。3)ではとくに江戸時代において出土する12世紀から15世紀の中国産陶磁器の特徴を整理するとともに文献や絵画作品、さらには日本国内の美術館・博物館に所蔵されている関連作品との比較を通して、中国陶磁器の受容とその後の展開(なかでも大名の儀礼と茶の湯の場における使用に注目)について研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、令和4年度までに予定していた中国現地での調査研究および日本国内における一部の調査に関しても、実施することができなかった。このため令和4年度までの研究期間に当初予定していた研究計画を遂行することができず、研究期間を1年延長することにした。一方で、日本国内の美術館・博物館で所蔵され、少なくとも江戸時代以前には日本に舶来していた中国陶磁の調査に関して調査は進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に関しては、新型コロナの影響も落ち着き始めており、中国側の研究協力者や機関と連携をとりながら、中国現地調査を実施したい。また国内においても引き続き伝世品の作品を中心に調査研究を進める。また最終的には今年度中に資料集成の成果、現地調査などの成果を踏まえ、本研究をまとめる形で進めたい。
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