研究課題/領域番号 |
19K01106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
寺井 誠 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 係長 (60344371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 考古学 / タタキ技法 / 当て具 / 有文当て具痕跡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、律令国家成立前後(6~8世紀)における地方独自の対朝鮮半島交流を考古資料から具体化し、地方の主体性を示すものである。そこで着目したのが、土器をタタキ技法で作った際に内面に残る有文当て具痕跡である。一般的には当て具痕跡は同心円文であるが、6~7世紀の北部九州、8~9世紀の山陰・北陸地方では平行文などの異なる当て具痕跡が確認される。このような当て具痕跡は朝鮮半島の加耶や新羅、統一新羅にあることから、地方が畿内を経由せず独自に朝鮮半島と土器製作技術の交流を行い、技法を導入したことが背景にあると想定し、それを立証するために研究を進める。
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研究成果の概要 |
本研究は、土器製作の際のタタキ技法で用いられる当て具、および内面に残る当て具痕跡を基にして、主に6~9世紀の日本列島と朝鮮半島の交流を明らかにすることを目的とする。 6~7世紀の北部九州では、朝鮮半島の加耶・新羅の影響と考えられる平行文当て具の使用があり、在地勢力による主体的な交渉の可能性がある。一方、8~9世紀の日本海側など畿内以外の地域では、平行文や格子文など多様な当て具が使われ、新羅との共通性がある。この時期、新羅が不安定化することから、新羅からの移住者による外的影響が考えられる。さらに、本研究では日本各地の当て具の特徴から日本列島内の地域間交流も明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
須恵器の内面にある同心円文の当て具痕跡は、考古学をしている者であれば一度は見たことがある。ただ、残っているのが当たり前すぎるせいか、研究の俎上に上がることはほとんどなかった。本研究では、朝鮮半島まで視野に入れた当て具及び当て具痕跡の時期・地域的多様性を明らかにし、当て具痕跡が同心円文以外にもあることを示すとともに、当て具・当て具痕跡の研究を基に日本列島内の地域間交流、対朝鮮半島交流を解明できる展望を示すことができた。また、展示や講演会といった普及事業を通じて、内側にある「文様」の意味について模式図を作成して具体的に説明することにより、陳腐化しつつある類の考古資料への関心を高めることができた。
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