研究課題/領域番号 |
19K01108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
福原 弘識 埼玉大学, 教育機構, 非常勤講師 (10725956)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 初期国家 / 環境変動 / 火山噴火 / メソアメリカ / 考古学 / メソアメリカ文明 / 環境文明史 / 古気候学 / 文化人類学 / 年代学 / 物質文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、初期国家成立の背景としてこれまで無視ないし重視されてこなかった火山噴火後の長期的環境変化に着目し、社会変化を環境変動データと層位的発掘調査を基に解明する。具体的にはポポカテペトル火山のプリニー式噴火の年代特定と火山噴火に起因する長期的な環境変化を、トラランカレカ遺跡に隣接するチャウトラ湖の湖底ボーリング調査およびトラランカレカ遺跡の層位的発掘調査を通じて明らかにし、メキシコ中央高原地域における初期国家形成前後の社会変化を環境変動と結びつけながら解明する。
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研究成果の概要 |
本課題研究の目的は、従来のメキシコ古代史研究に対し、新たに火山噴火をはじめとする環境変動資料を通時的データとして提供し、古代メソアメリカ文明において初期国家が成立する前後の社会変化を環境変動データと層位的発掘調査を基に解明することであった。これに向かい、メキシコ合衆国プエブラ州のチャウトラ湖湖水底部においてボーリング調査、トラランカレカ遺跡で考古学調査を実施し、獲得したデータと先行研究の精査を基に歴史復元を行った。本課題研究では、初期国家成立期における社会変化の要因の一つとしての自然災害とそれによる長期的な環境変動の影響を正当に評価するための議論を提供することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、本課題研究で獲得した考古学データを考古学のみではなく、環境地球学・地質工学、古気候学などの専門家との学際的共同研究の枠組みで解釈し、新たな歴史観と社会の複雑化に関する知見を提供できたことにある。これに加え、火山噴火という自然災害に対峙し、より強靭で持続的な社会を築くための試行錯誤を物語るデータを提供できたことは、現代における災害復興のあり方を考える上でも援用可能であろう。これが社会的意義である。
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