研究課題/領域番号 |
19K01109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
國木田 大 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 考古学 / 栽培植物 / ムギ / 炭素・窒素同位体分析 / 放射性炭素年代測定 / C4植物 / 土器付着炭化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東日本における弥生農耕文化の食性変遷を、土器付着炭化物の炭素・窒素同位体比、C/N分析を用いた食性分析から解明する。東日本の弥生文化は、自然環境や集団編成の違いに応じて地域ごとに多様化した農耕文化複合であり、その要因として西日本から波及した栽培植物の受容の在り方が大きく関係している。圧痕レプリカ法では、選択的に栽培植物を受容していたことが解明され、東北北部の稲作農耕、中部地方の雑穀農耕の傾向が指摘されている。本研究では、1.中部地方における雑穀栽培の様相解明、2.東北地方における稲作受容と雑穀栽培の有無、3.東日本におけるムギ類の展開、4.海外や古代との比較検討の課題を設定している。
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研究成果の概要 |
本研究は、東日本における弥生時代以降の栽培植物の波及を、土器付着炭化物の炭素・窒素同位体分析、C/N比分析を用いた食性分析や放射性炭素年代測定から解明するものである。縄文時代晩期終末から弥生時代中期にかけての中部地方および古代の東北地方では、雑穀(C4植物)を中心に煮炊きしており、先行研究の圧痕レプリカ法による結果と整合的であった。また、東日本の弥生時代におけるムギ類は、古代~近世の試料が弥生時代の覆土に混入したものであることが判明した。日本列島における穀物栽培の開始期の様態は単純でないことがわかる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、先史時代における穀物栽培を自然科学的な手法を用いて検討を行った。本研究手法は、新たな角度で弥生農耕文化を評価することが可能である。大陸から波及した穀物栽培の受容過程を詳細に検討することは、列島内の農耕文化形成の多様性や選択の独自性を考えるうえで非常に重要になる。弥生時代以降における食性に関する地域間の共通性や独自性、形成過程を議論することは、現代の地域文化の多様性を理解する際にも役立つと考えられる。
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