海岸地形環境に着目して、瀬戸内海地域における島嶼部の海岸利用史とその特徴を明らかにする。瀬戸内海沿岸では、海岸地形環境のうち、とくに浜堤と砂丘が製塩などの適地として利用されてきたが、いつ、どのような地形だったのかはまだ不明なことが多い。また、そもそも島嶼部における浜堤の形成がいかなるものかもわかっていない。このため、まず浜堤と砂丘の形成の実態を、遺跡の考古学的調査とともに明らかにする。そして、製塩遺跡などが立地する地形環境とその利用を比較することで、瀬戸内海地域の沿岸部と島嶼部の相違や特徴を考察する。地形環境史的視点から見た瀬戸内海島嶼部の歴史的特性について探求する研究の一環である。
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