研究課題/領域番号 |
19K01117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
水沢 教子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (10792799)
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研究分担者 |
中村 由克 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (10737745)
眞島 英壽 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (60526804)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 胎土分析 / 偏光顕微鏡 / 実体顕微鏡 / 砂 / 粘土 / 栃倉式土器 / 非破壊カウント法 / 偏光顕微鏡観察 / 薄片 / 蛍光X線分析 / 土器づくりシステム / 原料土 / 胎土 / 栃倉式 / 地質図 / 在地胎土 / 集中製作 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文時代中期、斉一性を有する土器型式が確立し、それが時間的に同一の変化を遂げる背景にはどのようなシステムが推測しうるのか。この課題に対し、「砂」部分の非破壊カウント法と偏光顕微鏡による薄片の詳細観察、「粘土」の蛍光Ⅹ線分析といった3つの方法による胎土分析と製作技法分析を組み合わせることによって、中央高地を中心に展開する複数集落の土器づくりの具体像を探るための第一歩を踏み出す。
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研究実績の概要 |
令和4年度に実物調査を行った栄村の縄文時代中期ひんご遺跡出土土器調査としては、令和5年度は栃倉式土器について、実体顕微鏡と偏光顕微鏡での胎土分析を行い、双方を対比した。その結果、まず実体顕微鏡では石英・斜長石を含む在地胎土の1群、非火山灰系粘土が基質となっている2群が確認された。偏光顕微鏡観察ではそれぞれ1群は凝灰岩・流紋岩・安山岩が多いものと特徴的な無斑晶質安山岩を含むもの、2群は粒形が細かく深成岩類を含む非在地とみられるものに対応することが確認された。また遺跡付近の百合居橋下の細かな川砂の薄片には石英、斜長石、カリ長石、チャート、安山岩、流紋岩等が円磨された形で含まれており、この地域の砂組成の特徴を知る手掛かりとなった。さらに千曲川を下り、新潟県津南町上野スサキ遺跡出土の栃倉式土器とその前後の時期の土器を概観し、白色粒子を一定量含むものが多い傾向を確認した。一方、令和4年度に実物調査を行った朝日村熊久保遺跡出土土器調査としては、土器3点を選択し、あわせて周辺粘土(波田ローム、小坂田ローム、梨ノ木ローム)と鎖川の川砂の薄片を製作して偏光顕微鏡観察を行った。その結果黒雲母と大形の石英を多量に含む胎土と、堆積岩やチャートを含む胎土に明確に分かれることが判明した。また、過去に各地から採取して保管してきた砂(千曲川本流、飯田市上久堅、佐久穂町茂来山、茅野市棚畑遺跡付近等)および粘土の薄片を作成し、今後各地の土器胎土の由来を考察する手掛かりとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2・3年度は新型コロナウイルス対策で長期間の出張を控え、令和4年度は本務の遅れを休日作業に振り替えたことによって研究時間が確保できなかった。令和5年度は家庭の事情(看護)で休日に研究時間を十分確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は千曲川(信濃川)のさらに下流域の遺跡から栃倉式を抽出し、同時期の他系統の土器も含め、資料化して観察を行うとともに、逆に上田市・東御市等上流域の遺跡から栃倉式を抽出して資料化と観察を行う。研究期間内に観察した代表的な岩石・鉱物写真をまとめて紹介したい。
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