研究課題/領域番号 |
19K01120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 一般財団法人大阪市文化財協会 |
研究代表者 |
南 秀雄 一般財団法人大阪市文化財協会, 学芸部門, 次長 (70344380)
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研究分担者 |
趙 哲済 一般財団法人大阪市文化財協会, 学芸部門, 学芸員 (20344369)
杉本 厚典 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 主任学芸員 (70344364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 治水 / 水防 / 大阪 / 都市 / 発掘 / 淀川 / 古地形 / 大和川 / 灌漑 / 河川工学 / 発掘調査 / 地質学 / 洪水 |
研究開始時の研究の概要 |
淀川・大和川河口の低地に位置する大阪では、洪水対策なくして都市の形成・拡大はありえなかった。本研究では、大阪市内で増えてきた堤防跡などの関連遺構の発掘成果を活かし、急速に進んできた古地形復元とあわせ、考古学・地質学・堆積学・河川工学の協働により、都市大阪における5世紀から17世紀の治水・水防遺構の実態と機能を明らかにする。また、それらが基盤となってどのように街づくりや街の形態が規定され、次代に受け継がれていったのかを通時代的に究明することを目指す。
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研究成果の概要 |
大阪市内の発掘調査の成果と、近年、急速に進展してきた古地形復元を基に、考古学・地質学・河川工学の協働によって、都市形成の核であった大阪中心部の5~17世紀の治水・水防の実態に迫った。また、治水建造物と都市の造成や拡張との関係も考究した。主な対象は次の4点である。①5世紀の難波堀江(なにわのほりえ)、②延暦4(785)年の三国川(神崎川)開削と河内川付け替え、③中世の沿海部(難波砂堆)の開発と水防・水利(灌漑)、④淀川下流(大川・中津川・神崎川)の流路固定の過程と豊臣期城下町の治水システム。 本研究によって、多くの記録が残る江戸幕府の流域治水や河村瑞賢の治水事業までをつなぐことが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず『日本書紀』に登場する難波堀江に関する通説の誤りを指摘し、最新の古地形復元に基づく新たな難波堀江像を提起した。また研究が停滞・不足していた三国川開削や淀川下流の流路固定の過程、豊臣期の治水システムの解明などに対して既存の発掘調査の成果がおおいに活用できることを示した。まったく顧みられることがなかった中世以前の大阪の沿海開発の実態にも発掘データを基に接近できることを示せた。 これらは大阪の治水の歴史の空白を埋めるもので、文献史などの関連分野への波及効果がある。また本研究の調査研究法は、地域や国を問わず類似の自然環境下にある場所で汎用可能であり、この点の波及効果も期待できる。
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