研究課題/領域番号 |
19K01122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
青柳 泰介 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部学芸課, 係長 (60270774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ウマ遺存体 / 製塩土器 / 鍛冶関連遺物 / 木製馬具 / 馬匹生産 / 外来系土器 / 牧 / 豪族居館 / 中国 / 馬 / 塩 / 馬遺存体 / 手工業生産 / 祭祀儀礼 / 皮革生産 / 東日本系土器 / 国家形成期 / 近畿地方 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近畿地方の国家形成期の馬と塩の関係を明らかにするための研究である。両者はヤマト王権にとって重要な経済基盤であり、かつ馬生産が軌道にのった5世紀後半代には、塩の生産地が大阪湾岸域に集約され、他地域では衰退するので、両者に密接な関係を読み取れそうである。しかしながら、6世紀後半代以降は、馬生産は拡大していくのに塩生産は衰退していく。このことは、従来から指摘されてきたような馬の飼料としての塩だけでは説明がつかない。しかも、馬生産のルーツの韓半島や近畿地方への馬供給地の東日本では塩生産は不明である。よって、両者の関係を明らかにすることは、馬生産のルーツや実態を考える上で重要であると考える。
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研究成果の概要 |
本研究は、古墳時代~飛鳥時代(3~7世紀)の奈良盆地周辺におけるウマ遺存体(馬歯や馬骨)と製塩土器の関係性を中心に考察したものである。塩はウマにとって飼料として必要不可欠な存在であると考えられているが、実態が不明であった。本研究では、南鄕遺跡群(御所市)、布留遺跡(天理市)、十六面・薬王寺遺跡(田原本町)などの当該期の大規模集落において、両者の出土状況を比較検討し、具体的な関係性を追究した。結果、十分な成果を得られなかったが、鍛冶関連遺物、木工(木製馬具)などの重要な手工業生産関連遺物との関係を想定できたので、あらためて馬匹生産は当時の総合産業であるとの見通しを得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意議については、ウマにとって塩は、従来は飼料としての位置づけを中心に考察されてきたが、本研究を通じて、それ以外の位置づけもできることが鮮明になった。それだけではなく、馬匹生産には鍛冶関連遺物や木工(木製馬具)などのいろいろな手工業生産との関わりがあることもみえてきた。社会的意議については、少し前まで日本列島では一般的だったウマの存在が、実は古墳時代中期以前については一般的ではなく、先人たちが苦労して根付かせていったことが本研究を通しても理解できること。
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