研究課題/領域番号 |
19K01123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 恵子 東北大学, 埋蔵文化財調査室, 専門職員 (70322980)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 近世漆塗製品 / 保存処理 / 塗膜構造分析 / トレハロース / X線CT / X線CT / 漆 / 近世 |
研究開始時の研究の概要 |
近世の漆塗製品について、①樹種同定、塗膜構造分析、EPMAによる塗膜構造の元素分析、X線CTによる漆塗製品の断面画像解析などを行い、基礎構造の情報を蓄積する。②その上で、トレハロース含浸法で保存処理した漆塗製品の仕上がり具合と基礎構造に関連性がみられるのか調査し、より適切な保存処理条件の確立をめざしていく。③併せて基礎構造を元にした、近世仙台城の漆塗製品の型式学的特徴、変遷や質の変化を考察する。
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研究成果の概要 |
仙台城跡出土の漆椀94点について樹種、塗膜構造、元素分析など基礎構造を分析した。 トレハロース含浸処理法で保存処理した近世出土漆椀をX線CT撮影し、処理条件の違いによる内部状態の違いを視覚的に捉えた。様々な条件下におけるトレハロースの結晶化の特性を確認し、近世出土漆塗製品のためのトレハロース含浸処理法による適した保存処理条件を模索した。 考古学的には、椀の形式による塗膜構造や樹種の傾向をまとめ、他の年代や近隣遺跡での分析と比較した。文書や地誌、領内出土資料の集成をし、漆椀が出土するまでの職人や在地製作地の背景をまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トレハロースの結晶化の特性を知ることで、近世の出土漆塗製品をトレハロース含浸処理法で保存処理する場合の押さえるべきポイントを理解することができた。この理解により、より有効性の高い処理条件の設定が可能となり、無駄のない安全・安心・安価な保存処理の一方法を導き出すことができた。持続可能な保存処理方法として発展させていきたい。 また考古学的、史料的調査ではこれまでまとめられていない近世仙台藩での出土漆器の背景に関する知見を得た。一括出土漆器を基に中世から近世までの漆器の変化、変遷をまとめた。
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