研究課題/領域番号 |
19K01124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田鶴 寿弥子 (水野寿弥子) 京都大学, 生存圏研究所, 講師 (30609920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 木材解剖学 / 文化財 / 木材選択 / 学際研究 / 樹種識別 / 東アジアの木彫像 / 茶室 / 用材観 / 東アジアの文化財 / 東アジアの用材観 / 木質文化財 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本文化を語る上で欠かすことのできない神道と茶道のなかでも特に重要な意味をもつものの、科学的視点からの研究が最も遅れている文化財群に注目した。この2群は、文化的に一見かけ離れた文物であるように思われるが美術史研究においてその成立や内在する精神的背景などの点で非常に重要な意味をもつ文物であり、建築史や彫刻史を語る上で欠かせないものである。これらの用材観の解明に向けて従来の樹種識別手法に加えて申請者らが開拓してきた非破壊の樹種識別手法(μCTや近赤外分光法など)などを駆使、発展させることで用材観の大規模なデータベースを構築し、美術史、宗教史、建築史に欠けてきた科学的知見の獲得を進める。
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研究成果の概要 |
東アジアの木彫像や茶室に注目し、用材観の解明に向けて従来の樹種識別手法に加えて申請者らが開拓してきた非破壊の樹種識別手法(μCTなど)などを駆使することで用材の大規模なデータベースを構築し、美術史、宗教史、建築史に欠けてきた科学的知見の獲得を進めてきた。特に欧米の美術館と行った10-12世紀頃の神像彫刻における国際的な共同研究は、その後国際的な大きな学際研究へと成長しており、現在も継続して研究を進めている。 2022年にはこれまでの研究成果を掲載した単著を出版したが、各種新聞で書評が紹介され重版となるなど、研究成果の社会への還元もかなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人と木はどのように歩んできたのか。木への信仰は高度な文明社会においても日本文化の根底に流れており無視することができない重要な知見である。本研究では主に人々が木への思いを込めて制作したであろう木彫像や茶室に注目し、用材観の解明を行い、人と木とがたどってきた歴史を学際的に見つめる研究を進めた。中でも欧米の美術館と行った10-12世紀頃の日本の神像彫刻における国際的共同研究は、当時の用材観を紐解く上で重要な諸相を含んでいることが見えつつあり、現在大きな学際研究へと成長し、研究が飛躍している。またこれまでの研究成果を掲載した単著が各種新聞で書評が紹介されるなど、成果の社会への還元も行うことができた。
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