研究課題/領域番号 |
19K01125
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
村本 真 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (70510296)
|
研究分担者 |
矢ヶ崎 善太郎 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (90314301)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 文化財数寄屋建築 / 耐震性能評価 / 非破壊検査 / 押込試験 / 数値解析法 / 土壁の非破壊検査 / 木材の非破壊検査 / 数値解析 / 保存設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,文化財数寄屋建築を対象に現場診断結果を用いた耐震性能評価技術を開発する.本研究の目的は,合理的で信頼性の高い評価情報を得るべく,数寄屋建築を損傷させずに土壁と構造木材の材料特性を推定できる要素技術を提供することである.現地調査において,壁土と木材の材料特性が評価できれば,建物の性能評価に直接有益な情報とすることができる.さらに,薄い壁厚の土壁を有する架構の性能評価実験を通して,数寄屋建築のシミュレーション技術を構築する.数寄屋建築の地震時挙動のシミュレーションにより,効果的な耐震補強法を提案する.これらの要素技術を組み合わせて文化財数寄屋建築の保存設計に直接活用できる基盤を整える.
|
研究成果の概要 |
本研究は,木材と土壁に対する非破壊評価法を文化財保存のための技術として提供し,伝統木造のための高精度非線形解析法に計測値を反映することで,既存の数寄屋建築の耐震性能評価技術を構築する.木材の非破壊検査法の構築のため,押込試験結果と縦圧縮試験結果の関係を調べ,木材の応力ひずみ関係までを推定する手法を示した.また,壁土の場合にも同様の手法が適用できる.さらに,壁土の材料特性と土壁の構造性能に関する実験データベースを構築した. 伝統木造のための予測解析法では,柱-横架材をプレート金物で補強した場合,通し貫接合部,柱傾斜復元力の解析モデルを提案し,それぞれの実験結果を概ね追跡可能となった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,木材と壁土の強度を非破壊検査法により推定する技術を開発した.また,これまでは材料特性の予測のみであったが,押込試験と予め実施した材料実験データベースを用いることで,材料の応力ひずみ関係(性能曲線)までを予測することが可能となった.本研究の予測手法は,木材と壁土のいずれにおいてもほぼ同じであることが特徴であり,他の装置を必要としない.また,壁土と土壁の性能曲線に関する実験データベースを充実させている.さらに,伝統木造建築のための高精度予測解析法を開発し,実験結果を追跡することが可能となった.今後,伝統木造建築の保存設計や補強設計にこれらのデータベースや数値解析法は有効なツールとなる.
|