研究課題/領域番号 |
19K01139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 晶子 東京大学, 総合研究博物館, 技術補佐員 (40447355)
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研究分担者 |
池田 博 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (30299177)
白石 愛 東京大学, 総合研究博物館, 特任助教 (60431839)
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 名誉教授 (70142700)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 植物標本 / 江戸時代 / 北海道 / 渋江長伯 / 本草学 / おしば帳 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸時代に本草学者によって作製されたおしば帳は、植物学研究という観点からみると、一見不連続に見える江戸時代までに培われた本草学的な植物についての知識の蓄積と明治時代以降の西欧の植物学の導入とのあいだをつなぐ重要な資料である。江戸時代後期に北海道調査を行って植物標本を収集した本草学者、渋江長伯の標本を中心として、本草学において扱われた植物の同定を行う。また渋江長伯のおしば帳の標本としての特徴、作成の方法にも注目し、これらの特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、東京大学総合研究博物館所蔵の、渋江長伯作成と見られているおしば帳の補修を行った。「北遊草木帖」5帖のおしば帳を含め前年度までに18帖の補修を終えることができ、残りは17帖であった。番号のみで内容についてタイトルなどは付されていないものについて、ばらばらになっている標本を可能な限り復元しながら補修作業を行なった。最終年度であったため、全部の補修を完了することを目標にした。作業の遅れはあったものの、作業者が熟練したことなどから、18帖のうち13帖を終了でき、残り5帖までに補修作業を進めることができた。これらについて、今後検討しやすいように、高精細の写真撮影を行った。 「北遊草木帖」については、ひき続き標本のリストを作成し、同定作業を進めた。北海道大学に保存されている渋江長伯採集とされる「蝦夷草木さく葉帳」については引き続き検討を行なっている。「北遊草木帖」と同時に北海道で同時に採集されたと見られる標本は宮部金吾が整理を行ったものである。これらについては、共同研究者とともに、その特徴と標本の同定を含む見直しを行なっている。標本全体がどのように作られているかを調査したところ、標本の作成方法には東京大学の「北遊草木帖」とはかなり違いが見られ、とじかたや貼り付け方法などが異なっていた。しかし、植物名などに同じ人物によると見られる書き込みがあることがわかった。東京大学の「北遊草木帖」は、繰り返し参照が容易なように、またその際に標本が傷まないようにする工夫が見られる。また、止めつけに用いた紙片には箔が施されているなどの特徴もわかった。今後全資料の補修を完了させ、コレクション全体の特徴を明らかにしたい。
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