研究課題/領域番号 |
19K01143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
三谷 雅純 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 客員教授 (20202343)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 聴覚情報処理障害 / 高次脳機能障害 / 情報アクセシビリティ / DAISY/EPUB / 災害情報 / 多感覚統合 / 言語音 / 緊急警報放送 / 情報アクセス / 緊急警報信号 / 聴覚失認 / アラーム / 視聴覚実験 / DAISY / 高次脳機能障がい |
研究開始時の研究の概要 |
生涯学習施設はあらゆる人に開かれた施設であるべきだが、これまでは言語音がわかりにくい聴覚失認者への配慮自体が難しかった。三谷雅純は高次脳機能障がい者の協力を得て情報アクセスのための視聴覚実験を行った結果、一般にさまざまな障がい者に理解しやすく工夫された視聴覚メディアでも、高次脳機能障がい者の一部には理解が難しいことがわかった。このことは緊急避難放送などを聞いても、聞こえるが理解できない状態にあることを示す。この解決を図り、聴覚失認者の情報アクセスを保障する放送法をさらなる視聴覚実験を通して工夫する。またその成果を利用して、聴覚失認者だけでなく万人にとって理解しやすい放送のあり方を探る。
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研究成果の概要 |
言語音がわかりにくい聴覚情報処理障害者(聴覚失認者と同義)の情報アクセスは当事者以外には把握が難しい。この実体を確かめるため、まず視覚刺激で視聴覚実験を行うと障害の重い人と非障害者の差が顕著であった。言語音で行うと実験前半は正しい回答が得られた。多感覚統合を活用すれば情報アクセスが可能だが、時間が経つと把握は難しくなる。注意喚起のためのチャイムの有無で確かめると障害の軽重で有意な差が認められた。言語音だけでは障害者のおよそ25 %の理解に留まったが、チャイムがあれば障害の軽い人の50 %以上、障害の重い人の25 %以上が理解した。最後に、以上を取りまとめてワークショップを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言語音がわかりにくい聴覚情報処理障害者(失語症者の一部に典型的に見られる聴覚失認者と同義)の情報アクセシビリティは、当事者の言語音に対する応答実態が明らかでないために配慮自体が難しい。その応答実体を明らかにすることは当事者への社会参加を促し、さらに自然災害などのときに行う緊急放送がいかにあるべきかを探ることができる。
聴覚情報処理障害者の情報アクセシビリティの実体を明らかにすることは、情報通信技術(ICT)やブレイン・マシン・インターフェースの将来の方向性にも指針を与える。
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