研究課題/領域番号 |
19K01148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
秋山 忍 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 名誉研究員 (50196515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Museum / Taxonomy / Herbarium specimen / Edo era / Natural history / Seed plant / Taxon / 博物館 / 分類学 / おし葉標本 / 江戸時代 / 博物学 / 自然史 / 高等植物分類群名 / タクソン |
研究開始時の研究の概要 |
伊藤圭介の標本は、シーボルトを通してオランダおよびドイツの研究機関に分与され、欧米各国の研究者らにより日本植物の分類学的研究に利用されたが、その数量は少なく、それは伊藤圭介が収集した標本のごく一部であろうと後代の研究者は推察してきた。しかしながら、これまで日本での伊藤圭介標本の所在は、ほとんど知られておらず、実際に標本に当って調査・研究を進めることができなかったこともあって、実態は明らかにされることなく今日に至っている。 本研究では、まず、ヨーロッパとの比較において、日本の近代植物学黎明期における植物分類学の実態を、植物標本の実態を通して、いかなるレベルにあったものであるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
伊藤圭介標本は主に、国内では国立科学博物館と東京都立大学、国外ではオランダ・ライデンの生物多様性センターとドイツ・ミュンヘンの州立植物標本館収蔵される。これらの標本を調査し分類学の立場から分析した。 国立科学博物館の当該標本は、圭介標本の特定はなされない状況にあった。まず、圭介関連標本を特定した。国外に収蔵される圭介標本には、シーボルトが新分類群発表の際に引用した標本が含まれることを明らかにした。後者の標本リストは圭介自身が手元に留め、現在、国立国会図書館に収蔵される。この資料を参考にして、国立科学博物館に収蔵される圭介関連標本と特定された標本と、国外の標本室に収蔵される標本の比較を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本での近代植物学確立に重要な役割を果たした伊藤圭介が収集したおし葉標本を直接調べることにより、当時の日本における植物分類学の知識水準を知ることができる。おし葉標本に記された情報は、当時の日本の状況を残しているものであり、これらの情報を整理することにより、植物学分野にとどまらず文化史、民俗学など広範囲の分野の研究・教育に役立つ。 さらに、海外に保管されている標本に基いて行われたヨーロッパ研究者による分類学的研究に伊藤圭介の標本が利用されたことを明らかにしたことにより、江戸時代の日本の自然史の知識水準がヨーロッパに引けを取らないことを明らかにすることができた。
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