研究課題/領域番号 |
19K01155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
長谷川 直子 (石黒直子) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60433231)
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研究分担者 |
三上 岳彦 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員教授 (10114662)
平野 淳平 帝京大学, 文学部, 准教授 (80567503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 結氷 / 気候変動 / 諏訪湖 / 十三湖 / 御神渡り / 気候復元 / 気候 / 気候学 / 湖 / 日本 / 地理学 |
研究開始時の研究の概要 |
長野県諏訪湖では、厳冬期に氷が鞍状に隆起する「御神渡り」現象が起こるが、15世紀中頃以降570年以上に及ぶ連続的な湖の結氷・御神渡り記録が諏訪神社等に保存されており、長期的な気候変動を解明する資料として価値が高い。青森県十三湖においても、1705年~1860年の江戸時代におけるほぼ毎年の結氷・解氷記録が「弘前藩庁日記」に記載されていた。本研究では長野県と青森県の長期的な結氷記録を基に、日本における冬季の気候変動の実態を明らかにするとともに、近年の気温上昇が湖の結氷・御神渡期日の遅延や発生頻度の激減に及ぼす影響を気象データから解析し、地球温暖化や湖水質・周辺環境変化との関連について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、世界的に見ても類のない長期的な文書記録である湖の結氷記録を用いて、冬季の気候変動を長期的に推定することを試みた研究である。長野県諏訪湖の結氷記録は御神渡りと言う現象が神事として捉えられてきたために、500年以上にわたる記録が存在する。これは1950年代にデータベースとして公開されており世界的に気候復元資料として利用されてきたが、本研究において、そのデータベースと原典との照合を行ったところ、いくつかの記録の修正や新たな発見があった。また、青森県十三湖においては江戸時代の約150年間にわたり結氷と解氷記録があることを発見し、本研究で初めて気候復元資料としての検討を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
湖の物理現象(御神渡り現象)が神事と結びつき、結果として500年以上にわたる記録が現存すると言うことは世界的にも類を見ないものである。一方でこの研究は海外研究者によって行われてきたケースが多いが、記録の原本に立ち戻って調査することが難しいため、複数ある出典のデータをあたかも統一的なデータかのように扱われてきてしまった問題がある。本研究によって、詳細なデータの状況を踏まえた気候復元を行うことができれば、500年以上にわたる東アジアの冬季の連続的な気候変動の状況を解明する唯一のデータになると考えられる。
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