研究課題/領域番号 |
19K01168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小口 千明 筑波大学, 人文社会系, 名誉教授 (20169254)
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研究分担者 |
中西 僚太郎 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70202215)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2020
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 温州蜜柑 / 小蜜柑 / 有核 / 子種 / 子孫繁栄 / 接ぎ木 / 苗木商 / 江戸時代 / 温州蜜柑と小蜜柑 / 価値観 / 凶兆認識 / 近代日本の海外輸出 / 歴史地理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,現代日本において人々に広く食されている種子のない温州蜜柑に注目し,江戸期には無種子であることから「子種なし」という凶兆認識を持たれ食されていなかった温州蜜柑が,明治期以降には生産地・市場・消費地それぞれの空間において受容され広く普及した経緯を検討し、従来,気候や地質など自然環境的側面から説明がなされてきた温州蜜柑栽培地形成を,「凶兆認識の払拭」という文化的価値観の観点から位置づけ,新解釈を提示することを目的とする。
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研究実績の概要 |
蜜柑や柑橘栽培に関する従来の研究の大半は平均気温や積算温度、地質、傾斜、日照などの自然条件や輸送条件に着目して産地形成における有利な条件の検証に力が注がれた。それらは一定の有効性を持つが、江戸時代から日本に存在する温州蜜柑がなぜ明治期に入ってから爆発的に需要増大となったかを説明するには不十分であった。それに対し本研究では、江戸時代に日本人が好んだ蜜柑は有核のキシュウミカン(通称 : 小蜜柑)で、有核であることが人間界の子種から子孫繁栄を連想させ、いっぽう江戸時代には人気が乏しかった温州蜜柑は無核であることから子種無し、すなわち子孫途絶の不吉さを連想させることとの関連から、小蜜柑と温州蜜柑に対する評価の交代と生産高の傾向を説明しようと試みた。 まず、研究代表者(小口)と研究分担者(中西)とにおいて江戸時代の文献および明治期の文献において上記の見解が首肯されることを確認し、問題意識を共有した。そして、江戸時代後期から明治期にかけて蜜柑が生産された実績がある地域を選定し、実地調査を行った。現地調査では幕末・明治期における蜜柑栽培・出荷関係古文書の撮影と蜜柑古木の観察、とくに接ぎ木部分の台木と穂木について注目し、写真撮影を行った。現地調査は、具体的には江戸時代から蜜柑栽培実績が認められる青江(大分県)、長島(鹿児島県)、伊木力(長崎県)、蒲刈(広島県)、三ケ日(静岡県)および各近傍を対象とし、江戸時代における蜜柑需要はおおむね有核の小蜜柑であることが確かめられた。また、多くの蜜柑古木に接ぎ木痕が認められ、蜜柑需要の変化には接ぎ木を扱う苗木商の関与に注目する必要性が明らかになった。
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