研究課題/領域番号 |
19K01177
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大城 直樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (00274407)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 社会教育 / 景観 / 場所 / 郷土 / 神社 / 御嶽 / 青年団 / 地域表象 / 宮古神社 / 国家神道 / 立津春方 / 郷土意識 / 地理的表象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,郷土意識の涵養と再生産が社会教育の現場でどう行われてきたかを,戦前期の琉球列島を対象として調査するものである。とりわけ青年団に注目し,その再生産過程の産物が集落景観のなかに如何に形成され現在に至っているのか,その経緯と当時の担い手たちがどういう想いでこれらに携わったかについて,ハードとソフトの両面から明らかにしていく。現地踏査と聞き取りにより景観構成要素をマッピングし,リスト化を図ることと,各種の言説分析から各地域の活動の類似性と差異性を析出すること,そして,情動的表出が見られる場合には,マテリアリティ論を踏まえたうえでのその傾向分析を行うこと,これらを行っていく。
|
研究実績の概要 |
本年度もコロナ禍にあって,なかなかフィールドへ出ることもままならない一年となった。ただしそんな中でも,6月と1月に,いずれも短期間ながらも沖縄出張を行うことが出来たのは幸いであった。とりわけ今回は那覇市内にある沖縄県立図書館での古写真の資料調査が捗り,社会教育と郷土意識の発現形態をより具体的に把握することが出来たのが大きな収穫といえる。当然文章からだけでは,建造物等の姿は分からない。だが写真に映ってさえいれば,その姿を確認できるし,周りの風景の中にあってどのような存在感を示していたかも把捉可能となる。とりわけ宮古島(宮古神社ほか)と石垣島(八重山神社ほか)の調査は進捗した。日本地理学会の秋季学術大会(香川大学)でその成果の一部を報告することが出来た。両地域における「神社」のあり方にかなりの相違を認めることが出来たのが大きかったといえる。宮古の方が,(沖縄在来の)御嶽の「神社化」がより広範に行われていたのである。しかも現在もなお神社の看板を降ろしていない御嶽も存在する。宮古神社は現存するが,八重山神社の場合,太平洋戦後に取り壊されることとなった。だが,その敷地の広大さもあって,進駐軍の催しものや博覧会等,様々なイベントの舞台ともなっていった。こうした場所の系譜を追いかけて事実を発掘できたのも成果の一つである。 来年度まで本研究は延長されることとなったが,さらなる事実の発掘に邁進したいと考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で出張機会が確保しにくいため。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の5類への移行が5月8日に行われたので,再度流行とならない限りは,出張機会の制限もほぼ無いものと考えられる。よって当初の期間であった3年間から2年も延長されたのを幸いと考え,沖縄本島のみならず,宮古諸島や八重山諸島における調査も行うことで,研究の一層の充実を図りたい。
|