研究課題/領域番号 |
19K01178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
加茂 浩靖 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (90454412)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 介護サービス業 / 外国人労働者 / 大都市圏 / 介護 / 外国人 / 介護職 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大都市圏の介護サービス業が創出する労働力需要とそこに供給される外国人労働力の関係を明らかにする。2018年において日本の介護サービス業への外国人の受入れは、①EPA外国人介護福祉士候補者受入れ、②外国人技能実習制度、③介護福祉士を取得した留学生に対する在留資格「介護」で認められている。これらは介護人材不足を補うためのものではないが、介護サービス業界にとっては労働力不足の解決策の1つとしても期待され、外国人の受入れが進んでいる。これらの制度のもとで流入した外国人が、どの介護サービス提供主体に受入れられ、介護現場でどのような役割を担っているのかを労働市場分析の手法を用いて把握する。
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研究実績の概要 |
2022年度研究では、在留資格技能実習および特定技能での外国人受入れの動向とその地域的展開の解明を試みた。明らかになったことの1つは、技能実習と特定技能の人数の変化および両者の関係である。出入国在留管理庁「在留外国人統計」によると、技能実習(全職種)の在留外国人は2010年(12月末、以下同じ)に10.0万人であったが、毎年増加し2019年に38.5万人に達した。しかし、その後は減少し2021年に27.6万人になった。この減少の一因は、技能実習を受ける外国人が最初に取得する技能実習1号が大幅に減少したことにある。2019~21年に在留外国人は技能実習2号と3号で増加したが、技能実習1号で145,167人減少した。 一方、特定技能(全14分野)の在留外国人は2019年に1,621人、2021年に49,666人と、この2年間で30.6倍に増加した。増加原因の1つとしてあげられるのは、技能実習から特定技能への在留外国人の移行である。この移行は技能実習を2年10カ月以上修了している等の条件を満たした者に認められる。出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」では、特定技能は試験ルート、技能実習ルート、検定ルート、介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートに区分され、2022年12月における総数130,915人のうち、試験ルートが34,078人であるのに対し、技能実習ルートが96,356人である。技能実習の在留資格を有する外国人の多くが、このルートを使って特定技能に移行したと考えられる。 さらに、地域的な状況をみると外国人の大都市圏への集中が認められる。埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県の8都府県は、技能実習計画認定件数(2021年度)で全国の39.9%を占め、特定技能介護分野の在留外国人数(2022年12月)で全国の54.2%を占める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料収集調査を予定していた高齢者介護施設の多くで、調査を計画通りに実施することができなかった。その主な理由は、新型コロナウイルス感染対策に起因した施設への立ち入り制限、職員の業務量増加にともなう調査対応の困難さ等である。 その一方で、都道府県や市町村等の行政機関、図書館等での研究資料の収集、収集した資料の分析および分析結果の考察を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究目的は、日本の介護サービス業における外国人の就労および生活の実態を把握することである。この目的を達成するため、外国人を受入れている介護サービス事業所等を対象に資料収集調査を実施する。愛知県およびその隣接県に立地する20事業所を対象に聞き取り調査を依頼し、外国人労働者の受入れ実績、職員構成、職員採用の方法等の情報を収集する。さらに、収集した資料を分析し、図表や地図に示すことにより外国人介護労働者受入れの実態を提示する。
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