研究課題/領域番号 |
19K01196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
轟 博志 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (80435172)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 歴史地理学 / 水経 / 実学 / 朝鮮王朝 / 申景濬 / 山水考 / 東国文献備考 / 白頭大幹 / 朝鮮王朝時代 / 地理認識 / 朝鮮 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は朝鮮時代の国土地理観の核心は「人文と自然の合一」になると主張してきており、直近の発表では「水経」が両者の性質を兼備し、「合一」の媒介役と認識されている仮説を提示した。本研究はその仮説の立証を目的とし、申請者が今まで陸上交通史研究で培った歴史地理学的研究手法を、「水経」の復原と国土地理観の復原に応用する。同時に、不足する朝鮮時代の一次史料を補うため、『山経表』に倣って『水経表』を作成する。
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研究成果の概要 |
本研究は、朝鮮王朝時代における地理学者たちの国土地理認識に関する、研究代表者の一連の研究の、集大成に位置付けられるものである。研究代表者の仮説は、朝鮮王朝、特に儒学者たちによる実学研究が最盛期を迎えた18世紀中盤の英祖代において、国土地理研究も完成期を迎えたことを前提としている。 申景濬に代表される、国政にも一定の影響力がある地理学者たちが、国家間としての心象地理形成に寄与したところは非常に大きかった。 既存の研究では、国土地理の主たる構成要素のうち、山と道路、そして都市に大きな労力が割かれていた。一方で、河川に関しては、ほとんど言及がないままであった。そこで本研究では水路分析に注力した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
韓国においては、伝統的な国土地理認識は、植民地近代を経て風化し、戦後かなりたってから、1990年代に、歴史地理学者らによって再発見され、日の目を見ることになった。そこからかつての史料の掘り起こしと分析が行われ、系譜学的研究なども行われた。 さらには、そのうちの山岳認識に関しては、白頭大幹を中心として、一般にも広く周知され、商品のマーケティングにも使われ、白頭大幹の稜線縦走という、新しいメジャーな登山文化まで生み出した。道路も同様に、かつての路線が復元されてからは、その道を使ったウォークツアーが開催され、また各自治体の観光マーケティングが活発化した。今回の水路も、同様の効果を期待する。
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