研究課題/領域番号 |
19K01199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松村 圭一郎 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40402747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 経済人類学 / 移民 / 難民 / 人間の経済 / エチオピア / 出稼ぎ / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国際的な労働市場のなかで「労働力」として取引されはじめたエチオピア農村の人びとの日常的実践をとおして、商品交換の論理にねざした「商業の経済」のなかに、それとは異なる「人間の経済」の論理がいかに生起しているか、その可能性を理論的に検討することを目的としている。商品作物を世界市場に供給してきたエチオピア農村が、中東やヨーロッパに労働力を供給する場へと変わる過程で経験している社会変容と、そこに生きる人びとをとりまく社会関係の変化に着目する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、コロナ禍によって中断していたフィールド調査を再開し、ドイツ・フランクフルト周辺、UAE・アブダビ、イタリア南部において、エチオピアからの移民・難民に関する現地調査を実施した。 アブダビでは、これまで継続的に調査してきたエチオピアの調査村からの出稼ぎ女性に加え、村出身の出稼ぎ男性も含めて、インタビュー調査を4年ぶりに実施し、コロナ禍による影響やエチオピアで起きている民族紛争の影響などについて情報収集することができた。 ドイツでは、フランフル近郊を拠点に、1980年代から近年に至るまで、おもに難民としてエチオピアやエリトリアから移り住んできた人びとへのインタビュー調査を実施した。とくにフランクフルトのある教会に集まっているティグライ人コミュニティでのフィールド調査では、移住時期の異なる複数世代の人へのインタビューを行うことができた。また、近年のティグライ紛争の影響で難民としてドイツに来たティグライ人女性などへの聞き取りも行い、1980年代のエリトリア独立戦争のあとにエリトリアから亡命してきた女性の経験などと比較分析を行った。 イタリア南部では、エチオピア人コミュニティについての情報収取をするとともに、移民の支援組織でのインタビュー調査を行い、中東やアフリカなどからの移民の流入が続くイタリア南部での移民をめぐる状況を把握することに努めた。 ドイツやイタリアでは、現地で移民の研究を行う研究者とも研究交流を行い、エチオピア移民に関する情報収集をするとともに、移民問題がどのような政治問題となっているのか、その議論について意見交換を重ね、今後の研究を進める基盤づくりを進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの感染症の影響で、2年以上にわたって現地調査が実施できず、全体の調査計画のうち、フィールドワークにもとづく研究については遅れが生じている。そのため、2023年度で終了予定だった本課題の研究機期間を1年間、延長し、2024年度も現地調査を中心に研究課題を進めるための準備を整えている。
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今後の研究の推進方策 |
1年間の研究期間の延長にともない、2023年度に引き続き、2024年度も遅れていた現地調査の実施を行う。おもに2023年度に予備調査を実施したイタリア南部での移民・難民の労働状況や受け入れ態勢について、さらに調査を進める予定である。
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