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オセアニア植民地時代における非白人移住者の歴史人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01208
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関法政大学

研究代表者

山本 真鳥  法政大学, その他部局等, 名誉教授 (20174815)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード歴史人類学 / 植民地主義 / オセアニア / 年季契約労働 / 奴隷 / サモア / 中国人 / インド人 / メラネシア人 / 非白人移住者 / 植民地時代 / 移動
研究開始時の研究の概要

オセアニア植民地時代について、ポストコロニアルの議論からともすれば排除されがちの年季契約労働者の歴史を描き、その現在を考察する。主たるフィールドとしては、申請者が既に研究を重ねているメラネシア系と中国系のいるサモア独立国であるが、参与観察や面接によるデータの収集よりも文献研究を基礎とした研究を目指しており、現地での情報収集は補足的に行う。一次資料はニュージーランド公文書館・同国立図書館およびハワイ大学図書館に赴いて集める。比較のためインド系の多いフィジーや日系人を集めた合衆国ハワイ州、ならびにバヌアツなどから労働者を集めたオーストラリア・クイーンズランド州に関しても文献研究を行う予定である。

研究実績の概要

前年度にはもっぱらサモアの年季契約労働について研究したのであるが、それを担ったのが主として中国人であり、またその政策と実施状況を比較するために、令和5年度は主にフィジーのインド人年季契約労働者について文献調査を行った。研究論文として「オセアニア植民地時代における非白人移住者(3)―フィジーのインド人年季契約労働者―」にまとめることができた。フィジーはサトウキビ栽培、サモアはカカオ栽培やココナツ栽培に重点が置かれた。サモアに導入された中国人は延べ4000人足らずであるのに対し、フィジーのインド人は6万人に上り、規模は全く違っていた。双方共に、働く者にとっては大変厳しいプランテーション労働であったが、それ以上に家族生活のあり方が双方でまったく違っていた。サモアでは中国人男性のみが導入された(これには文化的要因も大きい)のに対し、フィジーの場合、女性は比率が少ないものの存在したために、現地で家族が形成され、やがてエスニック・コミュニティが生じた。また植民地政府の政策により、年季明けの労働者がプランテーション外の経済活動を行うことができたことが大きい。サモアでは、サモア人女性との結婚が法律的に認められない状態が続き、生まれたハーフの子どもは母方に帰属し、明確なエスニック・コミュニティの生成には至らなかったのである。サモアでは、プランテーション外の経済活動も限られていた。
この研究課題と関連する一般向け著書『オセアニアの今―伝統文化とグローバル化』を7月に出版した。
また昨年度に引き続き、サモアの史料に当たるため、10月に2週間程度ニュージーランド・ウェリントンの公文書館にて追加調査を行い、さらにサモア独立国に足を延ばして調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの時期を経て、フィールドワークで研究を進める計画を大きく文献調査に方向転換した。新しい計画では、やや遅れが出ているが、2年間の研究の延長があり、キャッチアップしつつある。

今後の研究の推進方策

6月にハワイに1週間ほど滞在し、その際に文献調査を行うことを計画している。また、文献調査に軸足を置く結果となった。4・5年度にニュージーランド・ウェリントンで行った史料の収集を整理し、これを中心にまとめて書籍として出版する計画を立て、出版社とも交渉を行っている。これまで、出版した研究論文を軸に、さらに精査し書き加える計画である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (30件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 7件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 図書 (4件) 備考 (10件)

  • [雑誌論文] オセアニア植民地時代における非白人移住者(3)―フィジーのインド人年季契約労働者―2024

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 91 ページ: 101-127

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] オセアニア植民地時代における非白人移住者(2)―サモアのプランテーション開発と年季契約労働・序説―2023

    • 著者名/発表者名
      山本真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 90(3-4) ページ: 95-122

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 姓と名に関する文化人類学的考察―選択的夫婦別姓制度にむけて―2022

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 89巻3号 ページ: 371-394

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] オセアニア植民地時代における非白人移住者(1)―19世紀のブラックバーディングと年季契約労働―2022

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 89巻4号 ページ: 559-588

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] サモア独立国における盤石政権の交代―慣習と民主主義ー2022

    • 著者名/発表者名
      山本真鳥・倉田誠
    • 雑誌名

      日本オセアニア学会ニューズレター

      巻: 131号 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Heritage and identity: contemporary art practices of Pacific Peoples in New Zealand2021

    • 著者名/発表者名
      Matori Yamamoto
    • 雑誌名

      de Jong, Aoki and Clammer eds. Arts in the Margines of World Encounters, Vernon Press

      巻: - ページ: 81-101

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] グローバル・サモア世界の形成―ホームランドと移民社会の力学―2021

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 88 (3) ページ: 191-222

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本学術会議の問題をめぐって―内側から見た日本学術会議―2021

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      神奈川大学評論

      巻: 97 ページ: 52-59

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ポリネシア・サモア社会の互酬性と市場経済2020

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 87(3/4) ページ: 191-213

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] トロブリアンド諸島の謎2024

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 学会等名
      日本オセアニア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Fine mats in the global Samoan world2023

    • 著者名/発表者名
      Matori Yamamoto
    • 学会等名
      Measina Conference (Samoan Studies)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] オセアニア植民地時代における非白人移住者(3)―フィジーのインド人年季契約労働者―2023

    • 著者名/発表者名
      山本真鳥
    • 学会等名
      日本オセアニア学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] オセアニアにおける非白人移住者(2)―サモアのプランテーションと非白人移住者―2022

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 学会等名
      日本オセアニア学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] オセアニア植民地時代における非白人移住者(1)ーブラックバーディングと年季契約労働-2021

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 学会等名
      日本オセアニア学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] グローバル・サモア人世界の経済と儀礼―移民と本国社会の互酬性の展開2019

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 学会等名
      日本文化人類学会第53回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Samoan Emigrants and Homeland Tourism2019

    • 著者名/発表者名
      Matori Yamamoto
    • 学会等名
      IUAES intercongress 2019
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] オセアニアの今2023

    • 著者名/発表者名
      山本 真鳥
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750356044
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 太平洋海域世界:二〇世紀まで2023

    • 著者名/発表者名
      後藤 明, 風間 計博, 藤川 隆男, 矢口 祐人, 深山 直子, 馬場 淳, 桑原 牧子, 丹羽 典生, 石森 大知, 今泉 裕美子, 石原 俊, 牧野 元紀, 窪田 幸子, 井上 昭洋, 山本 真鳥, 山口 徹, 中野 聡, 安村 直己, 棚橋 訓
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      岩波書店
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 新・江戸東京研究の世界2023

    • 著者名/発表者名
      法政大学江戸東京研究センター
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      9784588780141
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 地球の音楽2022

    • 著者名/発表者名
      山口裕之・橋本雄一編
    • 総ページ数
      201
    • 出版者
      東京外国語大学出版会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今ー伝統文化とグローバル化 第18回 遺骨等の返還、文化財の返還

    • URL

      https://oceania.hatenablog.jp/entry/2021/04/23

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第12回 太平洋諸島と疫病

    • URL

      https://oceania.hatenablog.jp/entry/2020/05/29

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第13回 オセアニアの環境―沈む島とゴミ問題

    • URL

      https://oceania.hatenablog.jp/entry/2020/06/26

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第14回 クーデターと民族紛争

    • URL

      https://oceania.hatenablog.jp/entry/2020/08/28

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第17回 オセアニアの観光開発

    • URL

      https://oceania.hatenablog.jp/entry/2021/03/05

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第1回 はじまり

    • URL

      http://oceania.hatenablog/archive/2019/4

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第2回 サモアのお金、ファイン・マットの謎

    • URL

      http://oceania.hatenablog/archive/2019/5

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第4回 脱植民地化と文化の創造

    • URL

      http://oceania.hatenablog/archive/2019/7

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第5回 ラグビー! ラグビー!

    • URL

      http://oceania.hatenablog/archive/2019/8

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] オセアニアの今―伝統文化とグローバル化 第10回 『ファミリー・ツリー』とハワイの土地

    • URL

      http://oceania.hatenablog/archive/2020/3

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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