研究課題/領域番号 |
19K01220
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 関西外国語大学 (2020-2022) 山形大学 (2019) |
研究代表者 |
土井 正樹 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20776330)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 国家形成 / 地域間交流 / ペルー / ナスカ / ワルパ / ワンカベリカ / チュパ遺跡 / ナスカ文化 / ワリ / ペルー共和国 / アヤクーチョ谷 / ワリ国家 / テンジクネズミ / ストロンチウム同位体比 / 一般の人々 / クイ / アヤクーチョ / 測量調査 / 遺跡の範囲 / 地形情報 / 古代国家の形成過程 / アンデス / 一般の人々のエイジェンシー |
研究開始時の研究の概要 |
人類史において国家の出現は画期をなす出来事であり、その過程と要因の解明は文化人類学や考古学の研究課題の1つとなっている。本研究で対象とする古代国家ワリは、中央アンデス地域初の広域国家である。本研究は社会的リーダーに注目する従来の国家形成論とは異なり、一般の人々の視点から古代国家の形成過程の解明を目指す。申請者はこれまでの研究により、ワリ形成の契機が、海岸部の人々の山岳部への移住が引き起こした海岸民と山岳民の交流の活発化にあるという仮説を得た。本研究ではこの仮説の検証を目的とし、海岸部と山岳部の一般の人々による交流が国家形成に果たした役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
アンデス地域は独自の国家形成が生じた地域である。その中で出現した国家のひとつであるワリ国家に焦点を当て、その出現過程解明のための調査を実施した。山岳部を拠点として成立したワリ国家の形成は、その拠点となる山岳部の人々と同時代の海岸部の人々との交流がきっかけとなった可能性が高い。そこで両者の交流の手がかりを求めて、標高3400mのアンデス山中に存在するチュパ遺跡で測量および発掘調査を実施した。その結果、ワリ国家の形成に少なからぬ影響を与えたと考えられる海岸部の人々が、山岳部に位置するチュパ遺跡にまで到来していた可能性を示す資料を入手することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
後にワリ国家の拠点となる地域にはワルパ文化、その同時代の海岸部にはナスカ文化が存在した。山岳部を拠点とするワルパ文化の担い手たち(以下ワルパ)とナスカ文化の担い手たち(以下ナスカ)との接触・交流がワリ国家形成のきっかけとなった可能性が高いが、これまでワルパとナスカの接触・交流の具体的様相については明らかではなかった。調査で得られた資料は、海岸部のナスカの人々が従来考えられていたよりも山岳部の奥深くまで入り込んでいたことを示唆している。本研究の成果は、異なる環境に属する人びとの交流と国家形成との関わりを実証的に検討することを可能にするものであり、大きな学術的意義を有する。
|