研究課題/領域番号 |
19K01221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
三浦 敦 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60261872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | セネガル / 協同組合 / 所有論 / 農家生計戦略 / アフリカ / 家族制農業 / 汚職 / 市場 / 所有権理論 / レイヤー・アプローチ / 農村アソシエーション / 非私的所有 / 社会的経済 / 多重レイヤーシステム / 構造調整 / 自治村落 / 柳田国男 / 社会主義 / 土地戦略 / 農民組織 / 経営戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、セネガル農民がどのようにグローバル化する経済の中で家族制農業を維持し自らの生計を構築しているのかを、各農家の経営戦略と農家を取り巻く日常的社会関係の民族誌的データをもとに、経済人類学や新制度学派経済学の諸議論を考慮した分析を通じて検討するものである。その際、西アフリカ農業の歴史的変遷や、および19世紀以来の家族制農業の伝統を持つ西ヨーロッパ大陸部の農業の変遷の歴史と比較も行う。
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研究成果の概要 |
途上国の農業開発においては、しばしば農家の規模拡大や営利企業化の必要が主張されるが、実際には大規模農業はうまく機能しないことが多く、家族制農業は逆に市場経済に適切に対応していることが多い。セネガルでも、農業の規模拡大は現実的ではなく、家族制農業の維持が重要となっており、全国的農民団体CNCRも、家族制農業の保護と育成が重要であると指摘している。しかし、それは無条件ではなく、一方で、家族内の収入源の分散によるリスク分散と、協同組合的な農村組織による支援が必要である。また、農村組織に関しては、どのように他の商人に伍して市場の環境に適応していくかが課題となっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、家族制農業と農村組織、および農民を取り巻く文化的コンテクストを統一的に把握するために、所有論に基づく新たなアプローチ方法を採用した。これは、農民にとっての所有という観点から社会関係を統一的に把握するもので、これまでバラバラに把握されてきていたものを一つの理論的枠組みで分析することを可能にした。また、社会的意義としては、市場経済における家族制農業が持つ柔軟性とその問題点を明らかにすることができた。すなわち、家族制農業の農村組織の背後にはそれらを取り巻く様々なネットワークがあり、それらのネットワークが農家の生計上のリスクを分散することで、より効果的な農業が可能になっているのである。
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