研究課題/領域番号 |
19K01234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
渋谷 努 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30312523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フェスティバル / 多文化 / 多文化共生 / 国際交流 / 多文化フェスティバル / 移民 / 外国人集住地域 / 祭り / イベント / 共住 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで多文化共生や多文化主義など外国籍住民の問題を扱っている研究の中で、フェスティバルやイベントは否定的な評価をされることが多かった。この研究では、外国人が集住している地域での地元主導のイベントに注目し、多文化共生などの政策レベルとは異なる、イベントが日常生活レベルでのイベントの主催者や参加者に与える経験を析出し、3地域での違同を踏まえてイベントがもつたそうな意義について明らかにするとともに、草の根からの多文化共生の可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
豊田市保見団地、大阪府八尾市、山形県鶴岡市で行われている多文化に関わるフェスティバルに関する調査を行った。それらの調査により、フェスティバルを開催することで、外国籍住民にとっては同国出身者とのネットワークを形成し、さらに強化する機会になっている。フェスティバルを開催することで、エスニックマイノリティグループにとって、自分達の結束を強める働きがあり、さらに参加する各団体とのネットワークを形成していた。また、自分たちの文化の料理や歌、踊りを披露することで、自分化を呈示し再確認する機会であり、帰属意識を高める機会になっていた。しかし多文化フェスティバルで自文化を提示するグループの中には、自国の伝統的な楽曲や踊りを披露する場合もあれば、それに捉われず、現在はやっているポピュラーソングを歌う場合もあれば、日本の「ふるさと」のように有名な曲を母国語で歌う場合もある。つまり、多文化のフェスティバルは、文化を越境する機会にもなっていた。 このように多文化に関わるフェスティバルは、外国籍住民にとっては自国出身者とのつながりを強化する機会となるとともに、自文化を日本人に提示し、また再確認する機会になっていた。さらに日本人住民にとっても外国籍住民にとっても、このように、自分達の文化を固定的に捉える側面とともに、様々な形で流用や越境が行われており、そのような本質主義的な見方から相対化する機会ともなっている。そしてこれは日本人住民と外国籍住民との間の関係にも言えて、彼らの権力関係を相対化し、お互いに教え合う関係を築く機会ともなっていた。
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