研究課題/領域番号 |
19K01245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 洋一 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 名誉教授 (00114596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ドイツ民主共和国 / 法学 / 社会主義統一党 / 法制史 / ウルブリヒト / 国制史 / 中世史 / ミュラー=メルテンス / バーベルスベルク会議 / ドイツ民主主義共和国 / ミュラー=メルテンス / ネイション / 東ドイツ / 法学史 / 非ナチ化 / 社会主義法 |
研究開始時の研究の概要 |
ソヴィエト型社会主義体制下における法・法学は、現代世界における政治権力と法・法学の間の関係について根源的な問題を提起する研究対象である。東独(DDR)の支配政党であった社会主義統一党(SED)は法を<政治の道具>と宣言することで、正面から政治に対する法の自立性を否定した。本研究では、支配政党と国家官僚制がいかなるメカニズムでこの原則を実現しようとし、その結果法学がいかなる影響を受け、また研究者たちがいかに対応したのかを明らかにすることを通して、法の手段化という、現代世界において、程度の差こそあれどこにでも生じうる普遍的な現象の意味を考える重要な素材を提供することに努める。
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研究成果の概要 |
初期のドイツ民主共和国では、社会主義統一党及びそれにより指導された国家官僚制が、マルクス主義的な法学研究者養成、大学人事、雑誌を中心とする出版のコントロール、教科書政策、法学に関する大規模なカンファレンスの開催等の手段により、国家・社会のラディカルな社会主義化に資する法学の樹立に努めたが、弁証法的唯物論に定礎された法学理論の形成と、極めて具体的な社会主義政策実現のための実用的な法理論確立という目標を同時に達成することは困難であり、法学は常に批判の対象たり続けた。そのため、歴史学と異なり、国家消滅後も評価される成果を残すことができなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「市民的」法体制をラディカルに批判したドイツ民主共和国の法と法学の研究は、西欧型リベラル・デモクラシーがその圧倒的にドミナントな地位を徐々に失いつつある現在、我々が将来の体制的選択肢について考えるために、一つの失敗例を提供している。そこで政治が法学をどのように誘導しようとしたのかを解明することによって、今後の法学研究において注意しなければならない点を知ることが出来る。
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