• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ロシア憲法憲法裁判所裁判官論―非民主主義レジームにおける憲法裁判

研究課題

研究課題/領域番号 19K01261
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05010:基礎法学関連
研究機関三重大学

研究代表者

樹神 成  三重大学, 人文学部, 教授 (20186703)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2020年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード権力分立 / 憲法裁判所 / 大統領中心主義 / 超大統領制 / 隠された権限 / 国家元首 / 立憲主義 / 権威主義 / 憲法裁判 / 人権 / ロシア法
研究開始時の研究の概要

ロシアの政治レジームは権威主義と言われていますが、しかし、訴訟の数の多い国です。憲法裁判所が設置され、毎年、平均すると20近い判決を出して活発に活動しています。では、権威主義と立憲主義とはどのように関係するのでしょうか。法律や裁判官は、民主主義ではない政治のレジームのもとでは、どのようなもので、どのような役割を果たすのでしょうか。この検討をとおして、何が立憲主義と民主主義にとり、大切かを考えます。

研究実績の概要

「ロシア憲法憲法裁判所裁判官論―非民主主義レジームにおける憲法裁判」を考える出発点に置いたのは、大統領の地位と機能を定める憲法第80条をめぐる憲法裁判所判決のそれまでの分析を踏まえて、エリツィン大統領のもとでの政治レジームからプーチン大統領のもとでの政治レジームへの変化が、「憲法の危機」ではなく、「憲法の発現」と捉え得るのではないかと問題提起することだった。
問題提起の要点は、結局のところ、1993年憲法は、政府の大統領への一元的責任を定めた、または大統領と議会への二元的責任の権威的解釈を可能とする憲法であるという点にある。しかし、それ以上に重要なこととして、憲法裁判所裁判官(長官)であったバグライが、大統領の「基本機能」を定めた条文と第80条を理解し、この「基本機能」から、憲法の精神にも立脚した裁量による法システムの欠陥を埋める大統領の権限を導くことができると主張したことに注目した。この見解は、1995年7月31日の憲法裁判所判決(チェチェン判決)の根拠となっている。大統領の「基本機能」は権力分立では捉えきれないものである。
この点を、1998年12月11日の憲法裁判所判決(大統領は国家会議が拒否した候補者を連続して提案できるかが問われた)の通しても分析した。この判決によれば、国家元首である大統領は、権力分立における独自の地位から、権力分立で起こりうる国家機関間の対立を克服する機能をもち、また、国の内外政策の基本方針を決めるがゆえに政府を形成する憲法上の責任を有する。したがって、どのように首相候補者を提案するかは大統領の固有の権限である。この判決も、第80条から大統領の権力分立における独自の地位を導いている。
つまり、憲法裁判所は第10条で権力分立を定めているにもかかわらず、第80条を根拠に、権力分立では説明しきれない地位と機能を大統領に認めている。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 権力分立と大統領-憲法改正案(2020年1月20日)は何を変えるか2020

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      社会体制と法

      巻: 18号 ページ: 49-63

    • NAID

      40022288574

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 93年憲法改正は何を変えるか、変えないか2020

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      ロシア・ユーラシアの社会

      巻: 1051 ページ: 1-31

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 侵食か発現か-ロシア憲法の二重構造2020

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      法経論叢

      巻: 38巻1号 ページ: 23-36

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] オットー・ルフターハントの1993年ロシア憲法第10条評釈2020

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      法経論叢

      巻: 38巻1号

    • NAID

      120007141395

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 1993年ロシア連邦憲法における大統領制‐超大統領制論と大統領裁量義務論2019

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      法経論叢

      巻: 37巻1号

    • NAID

      120006765176

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 非民主主義国(権威主義国)における裁判・裁判所・裁判官(法律家)2019

    • 著者名/発表者名
      樹神 成
    • 雑誌名

      ICCLC NEWS

      巻: 60号 ページ: 19-34

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi