研究課題/領域番号 |
19K01264
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大江 洋 岡山大学, 教育学域, 教授 (80308098)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 親の正義論 / 子どもの権利論 / 子育てコスト / 子どもの権利 |
研究開始時の研究の概要 |
社会保障制度が設定されている現代社会において次のような問いを立て、種々検討することが求められている。まず、そもそも「子どもをめぐる(高)コスト負担は果たして誰が担うべきなのか」という問いである。たとえば、子どもをめぐるコストを哲学的に考究する研究者であるオルサレティは、この問いを、「親でない人々は当該コスト負担を共有すべき義務を負うのか」という命題によって定式化する。 その問いはさらに、当該コスト(それが何かという問題を含め)の共有論―非共有論を理論的分岐点として構成されうる。本研究ではこうした問いを検討していく。
|
研究成果の概要 |
本研究は、分配的正義論の具体化・応用問題である「子育てコストの社会的共有」に関する原理的指針の構築を目的として行われた。子育てコストの増大化、およびそれに関わる子どもの貧困や子育ての困難などの社会問題を端緒として、児童福祉制度を中心とした社会保障制度改善への注目が集まっている。そうした問題意識を背景に、子どもをめぐる種々のコストの社会的共有・分配問題を哲学的に検討した。受益者負担主義や親の子育ての自由などの根拠を精査し、「親の正義(parental justice)」論構築を多角的視点から行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義および社会的意義は以下の通り。第一に、親の子育て責任およびコストを整理する議論の社会的意義。第二に、これまで子どもについて言及している正義論は少数の先行研究を除き、その内容について十分に検討が深められてこなかった点。第三に、申請者が長年にわたって研究してきた子どもの権利論など、「子どもの立場」から子育てコストについて考察した議論はさらに少ない点。第四に、こうした議論の検討自体が、正義論、責任論、平等論、権利論などの法哲学の伝統的論点に接合しうるものであり、本研究はそうした一般理論への逆貢献にもつながりうる点。
|