研究課題/領域番号 |
19K01265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
安竹 貴彦 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (20244626)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 明治初年 / 断獄 / 若松県 / 大阪府 / 刑事法 / 刑事裁判 |
研究開始時の研究の概要 |
全国の地方検察庁が所蔵していた明治初年の刑事裁判関係史料群(現在、国立公文書館つくば分館所蔵)のなかから若干の藩・県(若松県・熊本藩)を抽出し、その解読と分析を行う。 さらに対象地域の史料館・図書館などが所蔵する関連史料も渉猟し、それらの素材をもとに、維新直後から廃藩置県までの期間において、当該藩・県が行った刑事裁判、準拠法、刑政の状況、およびそれらを担った人々についての解明を進める。 これらの作業を通じ、日本法制史の分野では別個に研究され論じられる傾向のあった、「近世」および「近代」の刑事法・刑事裁判・刑政につき、「近世と近代の連続性」という観点から相互の架橋を試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度は明治初年の若松県関連史料の収集を積極的に実施した。6月に福島県立図書館、7月に会津市立図書館・福島県立博物館、11月には会津若松市歴史資料センターでそれぞれ史料調査および撮影を実施し、多数の貴重な史料を確認することができた。撮影後はこれらの膨大な史料のなかから、明治初年若松県の裁判や刑罰、そしてこれらに携わった人々に関する情報を抽出する作業を進行中である。 他方、国立公文書館所蔵の地方検察庁旧蔵文書の翻刻も順調に進み、2023年度には「明治初年若松県の刑事関係史料」(その3)として「刑律断定」と題する判決録を3回にわたって所属機関の紀要に連載し、昨年度1回を含む全4回の連載を完了した。研究期間全体を通じては「罪文編冊」(その1、1回)、「刑律断定」(その2、2回連載)を含め、計3種の刑事関係史料を翻刻紹介することができた。なお、比較対象としての明治初年大阪府の刑事判決録「諸吟味書」の翻刻も、研究期間を通じ並行して順調に進行した。 この連載を通じ、明治初年若松県の断獄(刑事裁判)の準拠法が「仮刑律」および「旧会津藩の従前の刑罰」であったこと、しかしこれらに独自の変更を加えて利用していたことを確認した。なお,その際には上記史料収集で確認した史料も一部活用して分析することができた。現時点では、これらに続く翻刻紹介として、出張所(後に局)のあった津川の刑事関係史料、また、徒刑囚の身分簿的性格を有する「徒刑人人銘録」の準備がほぼ完了している。 また、裁判に携わった人々やその所属も概ね判明したが、職務の連続性や配置の理由を知るためには、会津の周辺諸藩の状況を分析する必要があると判明したことから、現在は会津近隣の史料(とりあえずは活字史料)の収集を開始したところである。
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