研究課題/領域番号 |
19K01281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
渕 圭吾 神戸大学, 大学院法学研究科, 教授 (90302645)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 行政手続 / 手続保障 / シャウプ勧告 / 青色申告制度 / 財産権保障 / 法の下の平等 / プラットフォーム / インフラストラクチャー / 青色申告 / 国家管轄権 / 平等原則 / 適正手続 / 公益 / 憲法 / 行政法 / デュー・プロセス / 租税手続 / 固定資産税 / 人税 / 物税 / 理由附記 / 理由付記 / 理由の提示 |
研究開始時の研究の概要 |
シャウプ勧告によって日本の租税手続がそれまでと比べてどのように変わったのか,またシャウプ勧告が租税手続を超えて行政手続一般にどのような影響を与えたのか,ということはあまり知られていない。本研究は,シャウプ勧告の租税手続法部分の立案を担当したスタンリー・サリー(Stanley S. Surrey. 1910-1984. 長くハーバード・ロースクールで租税法担当の教授を務め,また,ケネディ・ジョンソン両政権で租税政策を担当した)の業績及び占領期のSCAPの資料や戦後の判例・学説の検討を通じて,上記問いを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、スタンリー・サリーが執筆したシャウプ勧告の手続法の部分に着目して、青色申告制度のもとにある考え方を明らかにした。それを通じて、青色申告者に対する課税処分における理由附記についての日本の最高裁判例が、理由附記が求められる論拠に関して、シャウプ勧告の考え方を離れ、必ずしも十分に基礎づけられていない曖昧な手続保障の考え方に基づいて理由附記が不十分な処分を取り消す判決を下したことを明らかにした。 それに加え、憲法・行政法・租税法が関わる領域(手続保障や平等原則)に関して、新たな視点を提示する論文をいくつか執筆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は以下の点にある。従来手続保障・行政手続に基づくものとして理解されてきた行政処分への理由附記(理由の提示)につき、日本の判例が青色申告制度の趣旨を必ずしも理解することなくやや曖昧に理由附記が不十分な処分は瑕疵を帯び取り消しうる、と判断してしまっていたことを明らかにした。その前提として、シャウプ勧告の行政手続に関する叙述がスタンリー・サリーによって書かれ、しかも彼の1930年代の業績に基づいていることを明らかにした。本研究は、理由の提示が何のためにあるのかを問い直すきっかけになりうるという点で、社会的意義を有する。
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