研究課題/領域番号 |
19K01297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片桐 直人 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 准教授 (40452312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 憲法 / 中央銀行 / 国庫 / 通貨 / 財政法 / 予算 / 財政民主主義 / 予備費 / 資金 / 中央銀行法 / 地方財政制度 / 貨幣 / 金融 / 財政 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の財政法学ないし財政憲法学は、財政の権力性に着目し、その権力性を、議会制民主主義と法治主義という二つの理念に基づいて、適切にコントロールする手法を探求してきたが、本研究課題は、権力ではなく貨幣に着目し、財政法の全体的な解明をしようとするものである。
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研究実績の概要 |
従来の財政法学ないし財政憲法学は、財政の権力性に着目し、その権力性を、議会制民主主義と法治主義という二つの理念に基づいて適切にコントロールする手法を探求してきた。これに対し、権力ではなく貨幣に着目し、財政法の全体的な解明をしようとするのが本研究の課題である。 具体的には、「『貨幣による統治』を規律する法という意味での財政法はどのような体系的構造を有しているか」を解明するための準備作業として、①財政と金融との連続性に留意し、金融法・金融行政法の思考をも取り込みつつ、②財政や金融に関わるアクターや制度が多方面にわたり、それらが相互に作用しているという動態を適切に把握し得る財政法学の方法論を検討し、③もって、わが国における資金の流れにおける国庫の位置づけを確認し、それを規定している法的枠組みを動態的に明らかにすることを目的とする。 令和3年度までの研究では、①公法学における財政分析のあり方の基本的な特徴、②予算では把握されにくい財政法上例外として設置される資金の法的統制の可能性、③非伝統的政策を採用する中央銀行の金融政策の法的統制の可能性といった諸点について研究を進め、その成果を公表してきた。 令和4年度は、中央銀行の金融政策の法的な統制について、ドイツ・フランクフルト大学が主催するコロキウムに参加し報告して海外の研究者と意見交換を行ったことをはじめ、これまでの研究の成果を公表するとともに、財政民主主義や予備費といった財政法・財政憲法上の基礎理念や制度への分析を深め、論文の公表・学会での報告を行った。これらの成果は一部、令和5年度に公表されることが予定されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響によりもともと予定していた海外視察等ができなくなり、オンラインに切り替えられたという点で想定した研究進捗よりも遅れていることは否めない。 他方で、今年度は国内の研究者との直接対面での研究交流は問題なく継続できるようになった点で、昨年度よりも進捗しやすい状況が訪れた。 具体的な研究成果との関係では、中央銀行の金融政策の統制に関する検討が進んだほか、財政民主主義や議会の財政統制について、国庫との関係で根本的な見直しを行うことができ、この成果を踏まえた論考を複数の論文を通じて、明らかにすることができたという点で進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、計画最終年度にあたる。このことから、これまでの研究を総括し、残された研究課題を明らかにするとともに、これまで実施ができなかった海外での資料調査を是非とも行いたい。 ただ、海外での資料調査を行うための時間的な余裕等にも鑑みれば、今年度に予定されていた事業の全てを完了することが困難ではないか、という懸念もある。したがって研究期間の延長・研究計画の大幅な見直しを行なった上で、別の研究プログラムへの発展的な移行等についても検討する予定である。
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