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税務行政の国際化と情報通信技術の利用と納税者権利保護の新たな展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K01308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05020:公法学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

望月 爾  立命館大学, 法学部, 教授 (60388080)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード税務行政のデジタル・トランスフォーメーション / 納税者権利憲章の国際モデル / 納税者のデータ保護 / 納税者のプライバシー / 適格請求書等保存方式の導入 / デジタル・インボイス / 納税者権利憲章 / 納税者のプライバシー保護 / 税務行政へのAI利用規制 / 電子インボイス / 改正電子帳簿保存法 / デジタル課税 / 納税者権利保護 / 納税環境整備 / 税務行政のデジタル化 / 電子申告・納付の進展 / デジタル・デバイド / モデル納税者権利憲章 / 租税手続法制の国際的調和 / ビッグ・データの利用 / 税務行政の国際化・電子化
研究開始時の研究の概要

本研究では、先進各国の納税者権利憲章や租税手続法制の最新の動向や、税務行政の国際化や情報通信技術の利用など、納税環境の大きな変化に関する調査を通じて、納税者権利保護の国際的な現状と課題や新たな権利保護の必要性やそのあり方を明らかにする。そのうえで、納税者権利憲章の国際モデルや租税手続法制の国際的調和の動きをふまえ、その「あるべき姿」を租税手続法制や税務行政のモデルとして提案したい。

研究実績の概要

(1)各国の納税者保護法制や納税者権利憲章の最新動向の調査
2023年度は、まず同年5月24日から26日にチリのサンチャゴで開催された第8回納税者の権利に関する国際会議(8th International Conference on Taxpayer Rights) にオンラインで出席した。テーマは納税者の権利に関する司法審査やADR(裁判外紛争処理)についてであり、アメリカやホスト国のチリをはじめ各国の納税者の権利と税務訴訟やADRに関する情報を収集した。また、INTERNATIONAL LAW ASSOCIATIONの研究グループの公表した納税者権利保護の最低基準としての新たな納税者権利憲章の国際モデルについて調査を行い、同モデルの翻訳に取り組んだ。
(2)納税者権利保護の研究の総括と翻訳書の出版
これまで研究を進めてきた税務行政のデジタル化・国際化と納税者権利保護の研究についての総括として、租税理論研究叢書33号『人権と税制・税務行政』に研究論文として「納税者の権利保護の国際的進展ー近年の各国の動向と国際的議論の紹介を中心にー」を執筆した。また、オーストラリアのダンカン・ベントレー教授の納税者権利保護法の国際モデルについて、中村芳昭青山学院大学名誉教授をリーダーとするベントレー教授の著作の翻訳プロジェクトに参加し、第4章の「納税者の権利の文脈と分類」と第9章の「納税者の権利モデル」の翻訳を担当し、2023年10月に翻訳書として『納税者の権利-理論・実務・モデル』を勁草書房から出版した。さらに、同月に導入された消費税の適格請求書等保存(インボイス)方式とそれによって利用の拡大が予想されるデジタル・インボイスについて調査研究を進め、その現状と問題点について、雑誌「経済」への論文の執筆や東京地方税理士会や千葉県税理士会松戸支部などで講演や研究報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(1)税務行政のデジタル化と納税者権利保護の現状の調査・報告
2023年度も、関連の国際的な研究機関や団体の主催するオンラインセミナーや研究会に参加し資料や情報の収集を行った。また、OECDやEUなどの国際機関、IBFDやIFAなどの国際的研究機関、国際的会計事務所のBig4、各国の税務当局などの資料やウェブ情報を活用しながら、各国の税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの最新の状況とその納税者の権利保護上の問題点を調査することができた。また、これまで調査してきた納税者の権利保護をめぐる各国の状況や納税者権利憲章の国際モデルの総括として論文の執筆公表や翻訳書を出版した。さらに、10月に導入された消費税の適格請求書保存(インボイス)方式やデジタル・インボイスについて、昨年度に引き続き調査研究を進め、論文の執筆や研究会での報告や実務家団体での講演を行った。
(2) 税務行政の国際化の調査・報告
税務行政の国際的協力の現状と納税者への影響について、OECDの税務行政フォーラムの動きを中心に調査を進め、その現状と課題を整理した。また、新たにOECDとは別に国連を中心とする国際課税のルールの見直しの動向について調査を行った。
以上のように本研究課題については、研究計画に基づき調査を進めてきたが、本年度も計画していた海外調査を実施することができなかったことから、その意味ではやや遅れているものと評価できる。

今後の研究の推進方策

(1)税務行政のデジタル化と納税者権利保護の最新動向の追加調査・報告
2024年6月4日から6日にベルギーのアントワープ大学で開催される第9回納税者の権利に関する国際会議(9th International Conference on Taxpayer Rights)にオンラインで出席する。同会議の主題である「デジタル納税者権利憲章に向けて」は、本研究の税務行政のデジタル化と納税者の権利保護というテーマと一致しており、税務行政のデジタル化と納税者への影響とその権利保護の現状と課題について追加調査を行い、最新情報を収集する計画である。また、昨年度から準備を進めてきた台湾の税務行政のデジタル化や納税者権利保護法のへの現地調査について、研究交流先の国立台湾大学の柯格鐘教授に協力をいただきながら実施し、研究を進める予定である。
(2)税務行政のデジタル化・国際化と納税者権利保護の最終まとめ
これまで5年間調査を進めてきた税務行政のデジタル化・国際化と納税者権利保護の研究について総括し、その現状と今後の課題について再検討する。また、EUや中米などで進みつつあるデジタル・インボイスの義務化や税務行政へのAI利用など税務行政のデジタル化の新たな問題についても追加調査を行い、研究を進める計画である。そのうえで、本研究全体の総括として、税務行政のデジタル化や国際化と納税者権利保護の現状と課題を明らかにし、税務行政のデジタル化・グローバル化の進展する中での納税者権利保護の「あるべき姿」について論文にまとめ公表する計画である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (31件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (25件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 資本増強目的の特定目的会社への外国子会社合算税制の形式的適用の是非2024

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (265) ページ: 68-72

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 納税者の権利をめぐる世界の動向 : 税務行政から「納税者サービス」へ2023

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      中小商工業研究 = Quarterly small business journal

      巻: (157) ページ: 63-72

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 納税者の権利の国際的保護の視点と消費税 : 「電子インボイス」義務化の動向も含めて2023

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      経済 / 新日本出版社 [編]

      巻: (337) ページ: 48-59

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] キャプティブ保険子会社への外国子会社合算税制の非関連者基準の適用の可否2023

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (259) ページ: 54-58

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 納税者の権利保護の国際的進展ー近年の各国の動向と国際的議論の紹介を中心にー2023

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      租税理論研究叢書33号人権と税制・税務行政

      巻: (33) ページ: 61-79

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 土地の売買契約の合意解除と相続税の課税財産[東京高裁令和3.6.14判決]2023

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (253) ページ: 68-72

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 北野税法学の萌芽 : 立命館法学別冊学生論集の二論文の紹介2022

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税制研究

      巻: (82) ページ: 211-220

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際的組織再編に伴う支払利息の損金算入への法人税法132条の適用[最高裁令和4.4.21判決]2022

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (247) ページ: 63-67

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 小規模宅地等の特例の「生計を一にしていた」の意義 [東京高裁令和3.9.8判決]2022

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (241) ページ: 50-53

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評 諸富徹『グローバル・タックス : 国境を超える課税権力』岩波書店,2020年2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      財政と公共政策

      巻: 43(1) ページ: 70-73

    • NAID

      40022642849

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 酒井報告に対するコメント (消費課税の将来構想)2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      租税法研究

      巻: (49) ページ: 37-40

    • NAID

      40022655491

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 内国法人の非居住者からの借入れに対する過少資本税制の適用[東京地裁令和2.9.3判決]2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (235) ページ: 47-51

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際的デジタル企業課税と各国のデジタル企業課税の動向ーOECDにおける「2つの柱」に関する議論を中心にー2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      租税理論研究叢書31 企業課税をめぐる内外の諸課題

      巻: (31) ページ: 23-48

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 税務手続のデジタル化に向けた検討の動きと今後の課題2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税理

      巻: 64(1) ページ: 4-11

    • NAID

      40022437316

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際的企業再編に伴う支払利息の損金算入への法人税法132条の適用[東京高判令和2・6・24]2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (229) ページ: 46-50

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 適格合併による繰越欠損金の引継ぎに対する法人 税法132条の2の適用の可否2020

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: (223) ページ: 55-59

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] デジタル化・グローバル化と納税者権利保護-税務行政のデジタル化の進展とその影響を中心に-2020

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      租税理論研究叢書30 租税上の先端課題への挑戦

      巻: (30) ページ: 129-150

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 第4回納税者の権利に関する国際会議報告 : デジタル化時代における納税者の権利2020

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税制研究

      巻: 77 ページ: 144-152

    • NAID

      40022171326

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 海外事業のため多国間を移動する役員の「住所」の判定[東京高裁令和元・11.27判決]2020

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: 217 ページ: 63-67

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] EU における納税者の権利保護の調和 : 「EU 納税者法のモデルのための指針」の紹介を中心に2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 385 ページ: 38-77

    • DOI

      10.34382/00012794

    • NAID

      120006780482

    • ISSN
      0483-1330
    • URL

      https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/records/12802

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] グローバル企業と法人税 : その現状と国際的議論の状況の紹介を中心に2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      住民と自治

      巻: 674 ページ: 24-27

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 納税者権利憲章をめぐる最近の国際的状況2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税制研究

      巻: 76 ページ: 101-113

    • NAID

      40022012558

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 建替え検討中のマンションの鑑定評価と 評価通達の適用-東京高裁平成27年12月17日判決2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税研

      巻: 208 ページ: 196-199

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 移転価格税制における取引の比較対象性と差異調整の適否[東京地裁平成29.4.11判決]2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: 205 ページ: 42-45

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際的組織再編に対する同族会社の行為計算否認規定の適用の可否2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 雑誌名

      税務QA

      巻: 211 ページ: 80-84

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 納税者の権利の国際的保護の進展2022

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 学会等名
      日本租税理論学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 納税者権利憲章と税務調査2021

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 学会等名
      租税訴訟学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 国際的デジタル企業課税と各国のデジタル企業課税の動向2020

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 学会等名
      日本租税理論学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] デジタル化・グローバル化と納税者権利保護2019

    • 著者名/発表者名
      望月爾
    • 学会等名
      日本租税理論学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 納税者の権利 理論・実務・モデル2023

    • 著者名/発表者名
      ダンカン・ベントレー(著)、中村芳昭・望月爾・岡幸男・岡田俊明・中西良彦・背戸柳良辰(訳)
    • 総ページ数
      470
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326404285
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代税法と納税者の権利2020

    • 著者名/発表者名
      三木義一先生古稀記念論文集編集委員会、伊川 正樹、奥谷 健、望月 爾、安井 栄二、田中 治、谷口 勢津夫、占部 裕典、道下 知子、木山 泰嗣、市木 雅之、鹿田 良美、前田 謙二、元氏 成保、余郷 太一、山崎 笑、青木 丈
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589040695
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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