研究課題/領域番号 |
19K01311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西本 健太郎 東北大学, 法学研究科, 教授 (50600227)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 国連海洋法条約 / 紛争解決 / 海洋法 / 国際紛争解決 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国連海洋法条約の紛争解決手続が、当該条約体制においてどのような意義と限界を有しているかを、現実の国際裁判実践に即して再検討することを目的とする。海洋紛争の解決を横断的に検討して紛争解決手続の意義と限界を明らかにし、そして、ほとんど異論なく繰り返されてきた国連海洋法条約の紛争解決手続の意義について、その実践における現実的妥当性の観点から改めて問い直すために、国連海洋法条約の起草過程及び先行研究の調査・検討を通じた総論の検討と、判例分析を組み合わせた研究を行うものである。
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研究実績の概要 |
本研究は国連海洋法条約紛争解決手続の意義と限界について検討するものであるが、本年度は、これまで研究期間中に検討してきた各論的検討の総合的な取りまとめを進め、下記の結論を得た。国連海洋法条約紛争解決手続は、条約の起草当初に重視されていたパッケージ・ディールの維持という点で一定の役割を果たしてきているが、これに留まらずに国連海洋法条約体制の発展について重要な役割を果たすようになっている。その一方で、パッケージ・ディールの維持にとって問題となる実行も生じており、紛争解決手続はその歯止めには必ずしもなっていないことや、海洋環境保護等の新たな問題に十分に対応できない局面も生じているという限界がある。この限界は、新たな問題に関する条約解釈を明らかにするための勧告的意見の利用等の現象にも現れている。 研究期間中に、「国連海洋法条約の下の国家管轄権海域外区域の海洋生物多様性の保全と持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)」が採択されたため、同協定の紛争解決手続についても検討を行った。BBNJ協定の紛争解決手続は、国連海洋法条約の紛争解決手続に基づいた手続を採用しているため、国連海洋法条約の紛争解決手続の限界がそのまま当てはまる点がある上に、異なる文脈の下で最適な手続と考えられた制度を別の文脈に流用している問題がある。本年度は特に、南シナ海における海洋保護区の設定を題材として、同協定と国連海洋法条約の双方に関係する紛争が生じることがあり、同協定または国連海洋法条約の紛争解決手続に付託されうることと、その際の手続的な論点について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の実施期間には、コロナ禍による制約がある期間があり、その分の影響が残った。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍を理由とする進捗の遅延により研究期間の延長を行ったが、本年度が最終年度であり、これまでの検討成果を総括して研究成果としてまとめる予定である。
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