研究課題/領域番号 |
19K01329
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石畝 剛士 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60400470)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 医療保険 / 診療報酬 / 公法上の契約 / 一部負担金 / 公的制度内在契約 / 契約構造 / 介護保険 |
研究開始時の研究の概要 |
医療保険・介護保険は,国民の健康・福祉増進のための基盤として,その制度的重要性について疑う余地はない。しかし,各制度内在的な法構造,とりわけ契約構造や債権債務関係の所在については,研究の蓄積が十分ではない。いわんや両制度の統一的視座からの法的構造把握は,ほとんどなされていない。そこで,本研究は,社会保障法学と民法学の両者からの相互影響関係に留意しつつ,両制度内部の法律関係を(再)構成することを通じ,制度全体を貫く法構造を明らかにすることを目的とする。同時に,両制度を典型とした「公的制度に内在した契約」一般に通底する契約法理を構築するための基礎を見出し,今後の研究に繋げる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、被保険者が支払う一部負担金は発生した時点で保険医療機関に帰属すると解すべきであり、その法的性質論と契約当事者論との間には特定の結びつきがあることを明らかにした。また、審査支払機関を巡る法律関係も解明した。まず、保険医療機関・審査支払機関間の委託契約の内容を分析した上で、診療報酬債権の最初の帰属は保険医療機関と保険者との間であり、それが審査支払機関に併存して引き受けられることを示した。また、診療報酬債権は療養の給付ごとに順次発生するが、それは保険医療機関の請求時点で1本化されること、また、1本化するための法的基礎は保険医療機関・保険者間の契約に求められるべきことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会保険制度として展開されている医療保険や介護保険は、多くの国民に利用され、制度としては盤石なように見える。しかし、法的な視点からは、制度の中で誰が誰に対していかなる権利義務を有しているのかにつき、必ずしも意見の一致を見ない。本研究は、この問題について検討を加えることにより、社会保険制度に内在する契約の所在とその内容を明確化することを目的とした。本研究を通じて、各当事者の権利義務関係が明確化されると同時に、被保険者が支払うべき一部負担金の性質や内容、被保険者が支払わない場合(未収金)の法的対応、診療報酬債権の消滅時効の起算点など、社会保険を巡って実務上争われる諸問題の解決に資することになる。
|