研究課題/領域番号 |
19K01338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
上田 真理 東洋大学, 法学部, 教授 (20282254)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 労働者類似の者 / 低賃金 / 市民手当 / 基礎年金 / 自営業 / 低賃金労働 / 育児・介護 / 職業継続教育 / 生活保障 / 労働市場改革 / 育児期間 / 移動の自由の条件 / コロナ禍 / 良質の雇用 / 総合的保障 / 個人(独立型)事業主 / 雇用政策 / 不適切なインセンティブ |
研究開始時の研究の概要 |
日本では成人が全員有業である世帯(単身,単親、夫婦共働き)の貧困率が高い。「働いても貧困」という現象をなくすには、雇用政策が長期的にどのような影響を社会に及ぼすのかを検証する研究が必要である。本研究は、雇用制度改革がもたらす貧困(不安定低賃金雇用、独立自営業)を対象に、日本に先立ち労働市場改革(2003-2005年)を行ったドイツとの比較研究を行い、「次世代に負担を先送りしない」雇用保障・生活保障を解明することを目的とする。ドイツでの労働市場改革の15年間の成果を明確にし、連立政権(2018年)が当時と異なる方向性を目指し、若年者の労働力不足の克服に取組む転換に着目する。
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研究成果の概要 |
本研究は、低賃金不安定雇用(非正規雇用)のみならず、労働者に類似した働き方を対象に、日独の比較をおこなった。内容は、1つに、自営業の労働者類似の者は、請負や事業主の「偽装」又は実質的には「保護を必要とする働き方」であり、これは労働法だけの問題ではない。現役の働き方は、年金格差に顕著である。2つに、長い職業履歴には、僅少労働者が兼業で自営業を担う、また失業を契機に自営業へ移行する等、雇用も自営も経験する「ハイブリッド化」もある。本研究によると、現役の労働履歴を社会保障からみれば、標準的な労働は、「次世代に負担を先送りしない」持続可能な社会に適した社会保障の権利を引き出す条件が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
労働市場法政策が何をもたらし、それを労働市場改革後どのように評価しているのかを日独比較により検証した。日本と異なり、ドイツは、失業の解消を目的とした低賃金不安定雇用政策の逆の方向へ進んでいる。社会保障法では、1)生活保障機能をもつ労働関係を「条件」とした、2)そのような労働関係への「統合」を促進する展開がある。前者は、ドイツに導入された租税に依る基礎年金であり、それは、〇年といった長期にわたる就労又は育児・介護等による被保険者履歴をもつ者を対象に、生活保護を上回る水準での年金権を形成する。後者は、2022年の市民手当が適切な保障を拡大をもって、稼得労働へ「統合」し、継続教育の意義を有している。
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