研究課題/領域番号 |
19K01340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小名木 明宏 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60274685)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 再犯防止 / 犯罪被害 / 刑法 / 犯罪予防 / 刑事政策 / 矯正教育 / 改善指導 / 社会治療 / 刑事収容施設法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、喫緊の課題である再犯防止を効果的に実現するために、矯正教育としての改善指導の内容とあり方を検討するものであり、現場での矯正教育に具体的な提言をすることを目的としている。いわば、理論と実務の架け橋の実現を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、最近の我が国の立法状況と実務運用の現状と課題を国際的な視点からの検討しながら考察し、効果的な再犯防止を実現するための改善指導のあり方を検討するものである。5年目は、以下のような研究実績をあげた。 (1)北大刑事法研究会において「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律98条の定める作業報奨金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否-最決令和4年8月16日民集76巻6号1271頁」と題する報告を行ない、解釈論と刑事政策的観点からの分析も行った。 (2)刑法学会北海道部会において、ハレ大学ローゼナウ教授による講演「Recht auf assistierten Suizid fuer Strafgefangene 援助による自殺を求める被収容者の権利」を実施した。被収容者の処遇の一環として、死への願望をどう実現することができるかという問題点について議論した。 (3)ドイツ刑法学会に出席し、研究テーマについて最近のドイツ、オーストリアの実情についてドイツ人研究者、オーストリア人研究者と情報交換と議論を行った。 (4)研究成果の還元として、2023年11月には、紋別高校で「はじめての刑法入門-犯罪と刑罰を考えてみよう」、沖縄大学で「刑事政策と保安処分」の出張講義を行い、研究成果の還元を行った。 (5)社会貢献として、北海少年院において、被害者理解講座(2023年9月と10月)、法教育「刑事法」(2023年10月)、公開研究授業の参観と討論参加(2023年10月)を実施し、収容少年に対する再犯防止教育に積極的に関与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
公表論文1本、原稿提出済み論文2本の実績があり、研究成果の公表は断片的に実現できた。 また、研究成果の還元として、高校生向けと大学生向けの講演を行い、研究テーマについての啓蒙を行った。 さらに、千歳市にある北海少年院での実践教育として再犯防止啓蒙活動を実施することができた。 他方、2020年4月以降の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2023年も日本刑法学会はオンラインでの出席となり、多面的な情報交換が実現できていない。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツ、オーストリアで現地視察と意見交換を実施する。とくに、これまでに公表されたドイツ語による論文があるので、機会を見て、これをもとにプレゼンテーションを実施する。 また、少年院での再犯防止啓蒙活動は、次年度も継続したい。
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