研究課題/領域番号 |
19K01343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川出 敏裕 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (80214592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国際司法共助 / 執行管轄権 / サイバー犯罪 / 国際捜査共助 / コンピュータ・ネットワーク / 越境捜査 |
研究開始時の研究の概要 |
メールを利用した架空請求など、インターネットを利用した犯罪が増加している。インターネットは国境のない世界であるため、こうしたサイバー犯罪については、その証拠となるデータが国外に設置されたサーバに記録されている場合が少なくない。その一方で、外国の領域内で捜査を行うことは、その国の承認がない限りはできず、上記のような事案では、国際捜査共助により、そのデータを獲得すべきとされてきた。しかし、クラウド上のデータのように、そもそもその所在が判明しないものもあり、従来の方法では対応が困難な事態が生じている。本研究は、こうした問題意識の下に、時代に即した新たな制度の枠組みを提言しようとするものである。
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研究実績の概要 |
サイバー犯罪の増加とコンピュータ・ネットワークの拡大という要因があいまって、犯罪の証拠となるデータが国外に設置されたサーバ・コンピュータに蔵置され、捜査のためにそれを取得する必要があるという事案が飛躍的に増加している。本研究は、このような状況の下で、従来の、外国における捜査に対する法的規律及び国際捜査共助の在り方が現状に合わなくなっているのではないかという問題意識のもとに、この点に関する諸外国及び国際機関での議論の状況を参考にしながら、時代に即した新たな制度の枠組みを提言することを目的とするものである。 研究の初年度にあたる本年度は、外国における捜査の法的規律を研究の対象とした。具体的には、まず第1に、わが国における実務と理論の現状を把握するために、文献調査を行うとともに、研究会等への参加を通じて、国際刑事法に関わる実務家、及びこの問題を研究している国際法との意見交換を行った。本研究が対象とする問題については、関連する裁判例が出されたことや、アメリカにおいて2018年3月にクラウド法(Cloud Act)が制定されたことから、学界及び国際企業法務に携わる実務家の間でも関心が高まっており、今年度中に、新たに公刊された関連文献を検討するとともに、関連するシンポジウムに参加することができた。第2に、それと並行して、外国における議論を把握するため、大陸法系のドイツ、英米法系のアメリカについて、基礎的な文献調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のテーマについては、ここ数年の間にいくつかの裁判例が出されたこともあって、実務上、学問上の関心が高まり,本年度の間にも複数の関連文献が公刊されたほか、関連するシンポジウムも開かれたことにより、当初の予定どおり、研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の2年目となる来年度は、国際的な取組の動向に焦点をあてた研究を行い、状況が許せば、海外調査を行いたい。
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