研究課題/領域番号 |
19K01359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山田 直子 関西学院大学, 法学部, 教授 (70388726)
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研究分担者 |
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
大橋 靖史 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (70233244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 取調べ可視化 / 取調べ技法 / 取調べ記録媒体 / 裁判員裁判 / 量的分析 / ディスコース分析 / Reid Technique / PEACE Model / 事実認定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、複数の取調べ技法・複数の取調べ内容提示媒体(DVD、音声、紙媒体)を用いた法と心理学的実験と被験者へのインタビューをもとに得られたデータに量的分析及び質的分析(ディスコース分析)を行ったのち法学的検討を加えることによって、取調べ映像が裁判体に与える影響及びその発生メカニズムを実証的に明らかにした上で、取調べ技法や取調べ内容提示媒体の差異が事実認定者の証拠能力評価及び心証形成にどのような影響を与えるか、また当該影響の発生要因は何かを特定し、最終的には刑事訴訟法の目的である人権保障と事案の真相解明に資する適切な取調べ技法及び公判における取調べ内容の適切な提示方法につき提言するものである。
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研究成果の概要 |
取調べ技法(リード・テクニックとピースモデル)及び取調べ内容記録媒体(映像、音声、逐語反訳、供述調書)の2要素を組み合わせた実験刺激を用いて、それらが事実認定者の任意性・信用性判断に及ぼす影響を検討するために必要なデータ収集を目的とする法と心理学実験を実施した。実験で得られたデータを混合法を用いて分析し法学的検討を加えた結果、取調べ技法の差異は取調べ内容記録媒体の差異以上に事実認定者の心証形成に強い影響を与えることが再確認された。これに関する法と心理学会第23回大会での報告「取調べ技法及び記録媒体の違いによる信用性・任意性判断の特徴―量的分析と質的分析による検討―」 は大会発表賞を受賞した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、取調べ技法と取調べ内容記録媒体の2要素を組み合わせ、それらが事実認定者の証拠能力評価及び心証形成に与える影響の学際的・実証的な解明を試みるものであり、捜査研究と供述心理学研究を架橋するこうした研究は本研究以前には存在せず、豊かな学術的独自性と創造性を有し学術的意義は極めて高いと評価できる。同時に本研究は、2016年刑事訴訟法改正以来、法廷での被疑者取調べDVD再生問題(実質証拠問題)解決が喫緊の課題であるところ、実証データに基づく知見を提供する見通しを得た点で社会的意義も極めて高い。
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