研究課題/領域番号 |
19K01370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榊 素寛 神戸大学, 法学研究科, 教授 (80313055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | サイバーリスク / 地震保険 / 企業保険 / 新型コロナウイルス / 約款 / 保険 / 利益保険 / 再保険 / パンデミック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1)技術の発展や社会の変容により、経済活動・人間活動における法的状態や紛争、リスク配分がどのような影響を受けるか、2)1)を前提としてリスクの受け皿となる保険商品がどのように変化し、保険法学においてどのような問題が出現することが予想されるか、3)これらを踏まえ、現在のリスク配分はどのような影響を受けるか、保険の存在を前提として望ましいリスク配分はどのようなものであるのかを分析のうえ、これを達成するための民事責任や保険商品のあり方とこれらを実現するための法制度のあり方の諸点について研究を行うものである。
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研究実績の概要 |
研究4年度目である2022年度は、研究計画に従い、サイバーリスクと新型コロナウイルスの研究を継続するとともに、これまで継続してきた企業保険研究をさらに進めた。具体的には、以下の通りである。 第一に、生命保険会社の新型コロナウイルスへの対応の検証を行った。生命保険会社の対応(保険料払込猶予期間の設定、入院給付金の給付対象、通院、災害割増特約の支払対象、通院)の調査を行い、それぞれの対応の理由と約款上の正当性の検討を行った。検討対象は多岐にわたるが、とりわけ約款上の給付事由である「入院」概念における問題点が中心となった。給付事由を定義する約款規定に照らすと、生命保険会社による新型コロナウイルスへの対応(特に、宿泊療養・自宅療養に対する給付)は給付事由に該当するか疑わしい、または明示的に該当しないにもかかわらず、入院給付金が支払われた事例が多いものと結論づけられた。 第二に、サイバーリスクに関する研究を続け、異なる法分野の研究者・実務家及びセキュリティの専門家との座談会の形で業績を公表した。 第三に、責任保険と再保険を中心に企業保険分野の実態・約款・裁判例等の研究を継続して進めた。とりわけ中心となる責任保険については、米国の責任保険法リステイトメント(Restatement of the Law, Liability Insurance)の研究を進めるとともに、責任保険のうちD&O保険の研究を優先的に進めており、商品構造・商品設計、免責事由の約款構造、構造的な利益相反の研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間全体では、新型コロナウイルスの影響等の理由を概ね吸収し、研究と業績の公表は行えている。ただし、業績の公表については、想定より若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
企業保険の研究を進めるとともに、想定より若干遅れている業績の公表を進める。
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