研究課題/領域番号 |
19K01380
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
本間 靖規 早稲田大学, 法学学術院, 名誉教授 (50133690)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 既判力 / 訴訟物 / 実体法 / 手続保障 / 当事者概念 / 当事者適格 / 実体適格 / 法的安定 / 主観的範囲 / 依存関係 / 形式的当事者概念 / 客観的範囲 / 訴訟担当 / 実体的当事者概念 / 承継人概念 / 比較法 / 沿革研究 / 第三者効 / 反射効 / 法律要件的効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本テーマに関する本研究は、申請の際に記載したように、徹底的な比較法研究に基づいて、既判力を中心とする判決効の主観的範囲に関する議論の方向性を探ろうとするものである。筆者の学問的限界もあって、比較法の対象は、ヨーロッパ大陸(EU法を含む)の諸国との比較に限られると予測されるが、判決効の拡張を受ける第三者の範囲を決める基準、客観的範囲との関係、適用条文(民訴114条、115条、信義則に関する2条など)と適用の結果のあり方、適用を受ける第三者の救済方法などを考究して、判決効の主観的範囲に関する解釈論、立法論を展開するものである。
|
研究成果の概要 |
既判力の主観的範囲については、様々な方向での議論が行われている。たとえば以前は当然と思われていた物権的請求権を巡る判決の承継人に対する効力拡張が各人に対する訴訟物の違いから疑われるようになり、また要件事実論からもこれが支持されるという状況がある。また法人格なき社団が当事者となる場合の判決効の構成員への拡張が認められるかについてもこれを肯定する見解が有力に主張されている。本研究はこれらの問題に既判力と当事者の基本理論から迫って一定の解決を示そうとするものであるが、結局、前者の解明に時間がかかり一定の成果をあげるに留まった。後者については引き続き研究を継続している状況である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、いくつかの成果をあげることができた。物権を前提にした移転登記請求権に関する判決の既判力が背後にある物権におよぶかを比較法的研究(ドイツ法)を基礎にして考察し、既判力の根本問題を取り扱った。 また、既判力の主観的範囲を近時議論の対象となっている物権的請求権に関する判決の承継人への効力を中心に検討して近時の傾向を疑う結論を示した。 さらに和解成立後の係争物の承継人への効力を問題とした近時のドイツ最高裁の判例を紹介して、既判力の承継人への拡張を認めることの意義を考えてみた。いずれも判決効の第三者への拡張における実体法の役割の重要性に到達したため、これをなお研究しているところである。
|