研究課題/領域番号 |
19K01393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
香川 崇 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (80345553)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 占有 / 占有訴権 / レフェレ / フランス民法 |
研究開始時の研究の概要 |
フランスでは、2015年2月16日の法律によって占有訴権制度が廃止された。本研究は、占有訴権制度廃止に至るまでのフランス判例学説及び占有訴権制度廃止後における占有保護の根拠に関するフランス学説の検討を通じて、フランスにおける占有概念の現代的意義を明らかにし、わが国の解釈への示唆を得ようとするものである。
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研究成果の概要 |
フランスでは、2015年及び2017年の法改正によって、占有訴権制度が廃止された。本研究では、占有訴権制度に関わるフランスの立法や判例学説の展開を検討した。そして、フランスにおける占有訴権の廃止は、占有の保護を廃止するのではなく、占有保護の方法をレフェレ(仮処分に相当する制度)に改めるに留まるものであることを明らかにした。占有者は、占有の回復を求めるために、レフェレの要件を充足する必要がある。もっとも、この場合のレフェレの要件の解釈につき、従来の占有訴権の要件を踏まえた解釈をなすべきとする学説がある。そのため、占有訴権は、廃止されたとはいえ、レフェレの解釈の中で存続する余地があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近時、わが国では物権法の改正提案がなされ、占有訴権制度もその俎上にあげられている。本研究は、わが国の占有訴権制度を考察する際に重要な示唆を与えるものと考える。すなわち、フランスにおいて、占有保護の方法としての占有訴権が廃止されたものの、依然、占有は保護されるべきものと解されている。そして、新たな占有保護方法であるレフェレの解釈においても占有訴権の解釈が影響するのではないかと推測される。わが国の占有訴権に関する立法においても、このようなフランスの法状況を踏まえた検討がなされるべきであろう。このような検討を通じて、わが国でも占有訴権の更なる活用が可能となろう。
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