研究課題/領域番号 |
19K01396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 大阪経済法科大学 (2020-2021) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
平田 健治 大阪経済法科大学, 法学部, 教授 (70173234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 原状回復 / 無効取消 / 解除 / 不当利得 / 損害賠償 / 契約清算 / アメリカ法 / 契約法 / 原状回復法 / リステイトメント / 債務不履行 / 原状回復義務 / 回復法 / 無効取消し / 契約責任 / 損害 / 無効・取消し / 撤回 |
研究開始時の研究の概要 |
契約解消原因、契約類型、当事者属性などの多様性を踏まえた、原状回復義務の内容の理論的明確化、異同の有無の検討をする。 とりわけ、明文規定が置かれることになる、無効・取消しの場合、若干の改正が施される解除、これも新規定が置かれる消費者撤回権の諸場合の検討が中心となる。 各解消原因に対応する清算義務の内容の異同の現状分析、その正当性の検討、原状回復義務統合論の検討、原状回復義務の個別内容(収益返還、費用償還)の検討、消費者契約清算の場合の特殊性の検討が個別の課題である。 具体的論点としては、とりわけ、従来議論も多く、重要な、契約目的物の滅失損傷の場合のあるべき処理に関する提案を目標とする。
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研究成果の概要 |
契約解消に伴う原状回復義務の内容をアメリカ法を素材に検討することにより、アメリカ法における契約清算法理の特色を浮き彫りにすることができた。第一に、アメリカ法では、契約清算に際して、大陸法とは異なり、損害賠償と利得返還の問題が、必ずしも厳格な区別がなされないことである。第二に、債務不履行解除において、清算を求める者(訴訟原告)が債務不履行者であるか否かで、区別して検討する伝統がある。原告が不履行者の場合には、制裁的意味も伴い、清算の請求自体の承認が、給付の種類でも差があるが、排除から承認へと徐々に進展した。第一、第二に共通する背景として、アメリカ法への不当利得法理の漸進的普及が挙げられよう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
契約清算法理の研究は、債権法改正で無効取消の場合の原状回復義務が明文化されることで刺激を受けた。日本民法のルーツである大陸法の法理を参照することはもちろんであるが、英米法の法理を参照することも、意味がある。とかく、原理、思想、歴史が異なることで比較参照することが困難であるとされ、遠ざけられがちな、この領域の比較分析の道筋を開いたことに本研究の学術的意義がある。異なる法圏相互においても、機能的比較分析を施すことで、日本法において柔軟な法解釈を施す比較素材を提供することができる。
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