研究課題/領域番号 |
19K01400
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
工藤 敏隆 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 准教授 (50595478)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 集団的消費者被害回復手続 / 集団訴訟・クラスアクション / 裁判外紛争解決手続(ADR) / メキシコ法 / スペイン法 / 集合的権利保護 / 裁判外紛争解決手続 / 消費者法 / 消費者裁判手続特例法 / 金融ADR / 民事法学 / 父権訴訟 / 消費者行政 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、消費者裁判手続特例法が規定する、消費者の財産的被害の集団的回復手続の利用状況を改善するため、消費者団体と行政機関の連携、および裁判外紛争解決手続(ADR)の活用の可能性について考察する比較法的研究である。比較対象は、主にイベロアメリカ地域における、消費者紛争を扱う民事裁判手続、行政手続およびADR、ならびに手続追行主体であり、それらの示唆に基づき、わが国での立法や運用のあり方について検討を行う。
|
研究成果の概要 |
消費者の財産的被害の集団的回復手続につき、民間消費者団体と併存して行政庁の原告適格を認める場合、公私共働による訴訟追行を行うか、それとも広報など事件外での協力にとどめるかは、行政庁が構造的弱者を代弁し民事紛争に介入することへの国民意識の許容度や、民間消費者団体の活動力等を踏まえた考慮を必要とする。 裁判外紛争解決手続の中でも、仲裁は当事者の仲裁合意に基づくものであり、仮に集団訴訟のように当事者適格や判断効の特則を設けるとすれば、裁判を受ける権利との牴触が生じる。これを理論的に克服することは容易ではないが、個別仲裁手続の特殊な併合形態としての集団的仲裁手続は、あり得る一つの制度設計と思われる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集団的消費者被害回復手続について、ラテンアメリカ諸国では民間消費者団体と行政機関の原告適格を併存的に認める法制が多い。その制度や実情の分析は、消費者保護の実現における公私の協働ないし役割分担の在り方について、わが国に対し有益な示唆を与える。 また、集団的消費者被害の回復方法は、個別被害者への賠償以外にも、利益吐出しや消費者基金の設立など、柔軟かつ多様な方法が考えられる。それらの実現には、実体的な損害賠償理論だけでなく被害回復手続の観点からも見直しが必要であり、集団的ADRは一つの有効な手段となり得る。
|