研究課題/領域番号 |
19K01406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
川島 いづみ 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50177672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コーポレートガバナンス・コード / 非財務情報の開示 / 遵守または説明 / ESG情報の開示 / 情報開示の規制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、イギリスの会社法制・企業実務を主な比較研究の対象として、コーポレートガバナンス・コード(CGC)のように、株式会社に一定の行動をとるよう促す効果のある非財務情報の開示規制について、そうした規制手法の望ましい在り方・効果的な在り方を明らかにし、企業情報の開示規制の進展として位置付けようとするものである。イギリスのCGCが会社法にその基礎をもち、他方わが国のCGCにはそれが希薄であること等の相違を手がかりに、そうした相違の開示実務への影響の検証等を行い、こうした開示規制の有効な在り方等について提言をまとめ、論文の公表やシンポジウム等での意見発信に繋げる予定である。
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研究成果の概要 |
イギリス会社法は、従来もESG情報について、方針の策定やその遂行・結果等について報告または説明方式の開示を求めていたが、2022年初頭の改正により、気候関連財務情報開示を追加した。改正法では、関係するリスクと機会がビジネスモデルや事業戦略にいかに組み込まれるかが強調され、財務情報の関連情報としての位置づけが明確である。方針の策定や目標の設定とその進捗や結果の開示を求める方式は、企業行動を促す効果が高いと考えられる。SECも気候関連情報の開示を求める方向にある。イギリスでは、大規模私会社も適用対象とされ、対象が広範である。複数の制定法やソフトローも含めた開示法制全体の体系的な整備が求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イギリスの非財務情報の開示制度は、上場会社等にESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開示を求める中、ESGに関する企業の取組について、リスク面での管理プロセスへの統合に加え、収益機会と結びつけて開示の意義を捉える方向に進んでいること、また、開示方式として、遵守または説明や報告または説明とともに、方針の策定や目標の設定とその進捗や結果の開示、シナリオ分析など、企業の継続的な取組を促す効果が高い手法が採用されていることを確認した。これは、他の法域でもみられる現象である。開示規制の法源が複数存在する中で、開示負担を軽減し開示の質を向上させるには、開示規制全体の体系的な整備が必要であると考えられる。
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