研究課題/領域番号 |
19K01439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
宍戸 圭介 岡山商科大学, 法学部, 教授 (10524936)
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研究分担者 |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
加藤 穣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20727341)
張 瑞輝 名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (70732246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 応招義務 / 渡航移植 / メディカル・ツーリズム / 診療拒否 / 臓器移植 / 輸血拒否 / 宗教的拒否 / 臓器移殖 / 医師法 / 生命倫理 / 応召義務 |
研究開始時の研究の概要 |
医師(ないし医療機関)は、どのような場合に診療を拒否することが許容される/許容されないか。 これまで、この問題は医師法19条(応招義務)の解釈を通じて検討されてきた。そこでは、①救急性があり、かつ②重大な損害(患者の死亡など)が発生した裁判例が検討対象であった。しかし、近時は、①や②を欠く診療拒否が出現している。たとえば、中国で移植を受けて帰国した患者に対して、病院内規に基づいてアフター・ケアを拒むケースが生じている。 このような「新しい診療拒否」は法的にどう評価されるか?倫理的また社会的にはどうか?本研究は、近年の実例の検討を通じて、診療拒否の問題に新たな知見を得ようとするものである。
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研究成果の概要 |
渡航移植を受けた患者が帰国後にフォローアップを断られるケースなどの”新しい診療拒否”の問題に関して、実際の(元)患者やNPO法人に取材調査を行った。また、そのような患者を引き受けている医療者に接触した。年2回の研究会をほぼ予定通り主催した。 研究成果の報告として、全国規模の学会において報告及びシンポジウムを担当した。最終年度には国際学会を開催した。また、関連する事件の判例評釈を執筆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が調査に取り組んできた問題の一部は、ごく最近事件化する事態となり、一般の人々の知るところとなった。しかし、それまでは当事者(患者や医療関係者)や一部の専門家のみが知る問題であったと言える。そして、我々が取り組んできたタイプの”新しい診療拒否”に関しては、医療者側に対する調査はこれまで存在していたものの、やはりそうしたデータを元にした報告や報道では、患者側に問題があるかのような描かれ方がされがちであった。(元)患者側の問題を採り上げる研究はかなり少数であり、彼/彼女らの実情はあまり知られていなかった。我々の研究成果により、倫理的・法的・社会的にバランスの良い議論がなされることが期待される。
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