研究課題/領域番号 |
19K01443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 高宏 金沢大学, 法学系, 准教授 (60377372)
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研究分担者 |
善教 将大 関西学院大学, 法学部, 教授 (50625085)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | サーベイ実験 / 意識調査 / 公共政策 / 民営化 / インターネット調査 / 政治意識 / 政策選好 / 小さな政府 / 民間委託 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,「有権者の政策選好を把握するための実験的手法の開発」と「政策選好の規定因としての政治的要因が民間委託への選好に与える効果の推定」を具体的な目的とする。変数間の相関を分析するサーベイ分析ではなく,直接的に因果を明らかにする実験手法を用い,「要因配置実験」を用いて社会期待迎合バイアス(Social Desianility Bias)を除去することにより,従来の有権者の「属性」ではなく,政治的要因による選好の相違の因果を推定する。本研究の目的の達成は,日本のポピュリズム政治への理解にも示唆を与えつつ,政策選好の新たな規定因を明らかにすることにつながる。
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研究成果の概要 |
本研究において実施した実験では、メリットの説明を加えた処置群が統制群に比して賛成の程度を強めないという結果、デメリットの説明は具体例を加えた場合にのみ顕著に賛成の程度が減じるという結果が得られた。メリットの説明を加えた処置群の結果が「説明されなくともメリットを理解しているから処置の影響がない」ということだとすれば、「民営化」選好は民営化のメリットだけが広まり、デメリットの具体的説明が不足しているせいで生じているといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人の有する民営化の選好について、民営化のメリットが広く浸透しているのに比して一般論としての「民営化のデメリット」が浸透していないから、とのひとつの回答を与えた本研究は、民営化を進めるにあたってメリットの強調のキャンペーンが無駄であること、デメリットの理解の浸透が乏しいままの住民投票がフェアでないことを示している。このことは社会における意思決定のあり方の改善に貢献するものである。また、調査規模の問題から限定的ではあるが個人属性とは異なる外的な政治的要因の影響を除いて民営化の選好を明らかにしたという点で学術的な意義を有するものとなっている。
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