研究課題/領域番号 |
19K01451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
磯崎 典世 学習院大学, 法学部, 教授 (30272470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 韓国 / 人的資本形成 / 労働 / 経済開発 / 制度改革 / グローバル化 / 経済政策と党派対立 / 分極化 / 東アジア / 教育 / 脱植民地 / 民主化と政権交代 / 経済成長 / 文在寅 / 李承晩 / 日本 / 政治経済学 / 人的資本 / 教育制度 |
研究開始時の研究の概要 |
韓国は、60年代初から50年足らずで、一人当たりGDPが約100ドルから20,000ドルを突破する急成長を遂げた。天然資源に乏しい中での成長の鍵は、「教育や訓練等で身につけた、生産活動において有用な技能・知識等」と定義される人的資本の育成で、教育制度も評価された。しかし、近年は高度化する経済に適合する人材育成制度への転換に難航し、若年層の失業率は高止まっている。経済構造転換期における人材育成制度改革は、日本や他の先進国も直面する課題であり、他国との比較を視野に入れ、「過去に成功要因とされた人的資本形成が、現在どんな問題を抱え、その改革はなぜ難航しているのか」という問いを韓国を事例に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、韓国の急速な経済発展の要因として人的資本形成に着目し、非欧米的な発展パターンをとった過程を検討することにあった。研究当初は、人的資本形成の要となる学校教育の拡大等が経済・雇用政策との関連でどう展開したのかに着目し、高度経済成長期に有効だったそれらの制度が機能不全となった現状と、それを改革する政治課題の成果を出せない原因の解明を重視する3年間の計画をたてた。 研究当初で、韓国の学校教育の拡大が公的負担の少ない形態でなされた過程を検討し、制度構築から高度成長期、さらにアジア通貨危機以降の制度改革の挫折までを研究する計画をたてていたが、新型コロナ禍の影響で現地調査による資料収集ができない状況となったため、資料アクセスが容易な近年の制度改革問題に焦点を移し、計画期間を延長して研究を継続した。 2022年度は、人的資本形成に重要な制度改革に焦点をあて、その阻害要因の背景にある政治の構造変化に着目し、オンライン調査など研究方法を変更して課題の遂行に努めた。文在寅政権期の「改革」の阻害要因となっている党派対立や社会の分極化の解明にも取り組んだ。2023年度は、近年になって人的資本形成を阻害している経済構造の変化と政治アクターの取り組みに焦点をあて、論文をまとめて投稿した(2023年度末現在、査読中である)。急速な経済グローバル化に伴う問題への政治的対応の不備が、人的資本の供給に影響を与えている点を解明するものである。 以上のように、新型コロナ禍の影響による研究計画の変更に伴い、研究は近年の制度改革を必要とする経済構造の変化と改革をめぐる政治対立に焦点を移し、成果を論文としてまとめる取り組みを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス禍により、韓国での調査・資料収集ができない状況で当初の計画を修正せざるを得なかった。オンラインで入手できる資料に依拠し、またオンライン調査を導入するなどして研究を進め、投稿論文執筆などの成果をあげることができた。しかし、最終的に研究全体をまとめるには至らず、もう1年研究期間を延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
査読中の論文への対応も含めて、2024年度を最終年度として成果をまとめる予定である。
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