研究課題/領域番号 |
19K01460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
竹内 直人 京都橘大学, 経済学部, 教授 (60803939)
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研究分担者 |
松井 望 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (70404952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 組織と環境 / 双対原理から相関原理へ / マニフェストの機能と官房組織 / コンティンジェンシー理論の検討 / 管理的政策 / 標準作業手続き / マニフェスト / 総合計画 / 地方創生戦略 / 状況定義 / トップダウン / 代表性 / 自律性 / 標準作業手順 / 測定可能性 / 本人・代理人関係 / ミドル・アップダウン / 自治体官房組織 / 予算編成過程 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代の地方分権の始まり以降、自治体の政策形成および組織編成に変化が現れ、持続している。この変化は自治体組織内の決定プロセスを経て生じており、その中心は財政課や企画課、人事課などの「自治体官房系組織」である。 本研究は、官房系組織の代表として、自治体の政策形成に大きな影響を与える財政課を対象とし、①予算編成の実態と変化、②財政課と首長および議会の関係の変化、③財政課の人材育成システムの変化という3つの観点から、全都道府県へのアンケートおよび職員インタビューを通して自治体における財政課の機能とその変化を調査し、政策形成の変化を明らかにする。
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研究実績の概要 |
過去2年以上にわたる新型コロナ感染症の広がり及び本人の狭心症の手術、治療の影響で、自治体現場への聞き取りが実施できない状況が続いたため、研究の重点を先行研究、理論研究に移した。財政課や官房組織は外部環境を政策の意思決定前提となる考慮要素として取り込むのか、またそれは組織の在り方にどのような影響を受けるのか。この点についてハーバードサイモンの組織論及び組織の経済学の知見、さらに青木昌彦の組織理論の観点から検討を行った。これに関してマニフェストや総合計画などが組織の環境認知をどのように規定するかを理論的に検討した。日本型の水平調整組織においては、財政部門は現場組織と環境認知を共有し、一方、企画部門は首長と認知を共有するとの仮説が導かれる。 その成果として、自治体の総合計画とマニフェストの関係について執筆するとともに編者として総合計画に関する書籍をまとめた。新型コロナの影響により出版が1年遅れたが、原稿はそろっており今年中に出版の予定である。また、サイモンの組織論を閉じたシステム(認知的には開き、規範的には閉じた)と解し、組織と環境の関係をポスト構築主義の文脈の中に位置づける考察を行った。これについても年内に公表される予定である。日本の組織の根底を規定するいわゆるメンバーシップ型組織の特徴について、組織の経済学の観点から考察した小文を、京都橘大学女性歴史文化研究所のクロノスに寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
過去2年以上にわたる新型コロナ感染症の広がり及び本人の狭心症の手術、治療の影響で、自治体現場への聞き取りが実施できない状況が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究の重点を先行研究、理論研究に移し、財政課や官房組織は外部環境を政策の意思決定前提となる考慮要素として取り込むのか、またそれは組織の在り方にどのような影響を受けるのかに関する研究を進める。 組織の意思決定は状況定義によって形成される事実に規定されており、その事実は組織の現場組織が認知する個別環境要素と官房系組織が認知する全体的環境要素との相関関係によって規定される。官房系組織においても財政部門は現場組織と認知を共有し、企画部門は全体的環境と陳地を共有するという仮説が導かれる。現場の聞き取りに代わりアンケート調査により、この点を確認する。
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