研究課題/領域番号 |
19K01463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
石川 涼子 立命館大学, 国際教育推進機構, 准教授 (20409717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 文化的権利 / 多文化主義 / カナダ / 言語正義 / インターセクショナリティ / 移民 / 文化的多数派の権利 / ナショナリズム / 文化防衛 / 多数派の権利 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、難民や移民の急激な増加により欧州各国で多数派の文化が危機に瀕しているという意識が高まり、従来は文化的少数派がとってきた文化防衛(cultural defense)のための施策が多数派の文化に関してとられ始めている。だが、こうした多数派の文化防衛がリベラルな諸原理と整合性を持つのかについては 理論的研究が進んでいない。そこで本研究は、文化的多数派の文化防衛がリベラルな諸原理に適う正当性を持つかを考察する。最終的には、この研究を通じて日本にも適用可能な多数派文化防衛のリベラルな規範的指針を示すことを目指す。
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研究成果の概要 |
文化的多数派が自らの多数派文化に対して持つ権利は自明視されてきた。だが、2015年の欧州難民危機後に顕著になったように、難民や移民の急激な増加により欧州各国で多数派の文化が危機に瀕しているという意識が高まり、文化的少数派がとるような文化防衛のための施策がとられている。こうした多数派の文化防衛がリベラルな諸原理と整合性を持つのかについては、実は明らかではない。そこで本研究は、文化的多数派の文化防衛が正当化される諸条件を明らかにすることを目指した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、文化的多数派の文化防衛が正当化される条件として、それは多数派とは異なるアイデンティティを持つ少数派を尊重する場合にのみ、正当化されうることをカナダの事例を通じて示した。また、文化的多数派の文化的権利を考察する上で、文化集団内の多様性やインターセクショナリティへの注目も不可欠である。文化的多数派は、しばしば伝統や文化を維持することの重要性を主張するが、これは多数派の特権を維持するための方策ともなりうる。より公正な仕方で多数派の文化防衛を正当化するためには、文化的多数派に属する女性からの視点も重要となる。
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